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2013年6月30日日曜日
初版刊行後 50周年
E・P・トムスンの『イングランド労働者階級の形成』の初版がゴランツから刊行されたのは1963年。その後、アメリカ版、ペンギン版と出ましたが、いま出回っているのは、基本的に1968年のペンギン版(or その再版にあたる1980年ゴランツ版)でしょう。68年版はペーパー版であるだけでなく、初版に残っていたフランス語のフレーズなど、ちょっとだけインテリ向けだった表現が、ふつうの英語読者むけに改善され、また68年という時宜をえて、一般学生が競って購入する本になりました。日本でも(今でも)邦訳本より英語版を買った方がはるかに安価ですね。
初版から50年、あらゆる方面からの批判をふまえて、21世紀にどう継承されるのか。
The global E. P. Thompson という催しが企画されています。ぼくにも言いたいことがあり、せっかく声をかけていただいたので、10月3~5日にはハーヴァードでしゃべり交流してこようと思います。案内は、こちら ↓
http://wigh.wcfia.harvard.edu/content/global-ep-thompson-reflections-making-english-working-class-after-fifty-years
じつは Cambridge, MASS に行くのは初めてです!「世界史」の企画としても刺激をうけそう。
トムスンについては、『20世紀の歴史家たち』4(刀水書房、2001)などなどでコメントしました。ご覧ください。
2013年6月28日金曜日
立正大学 西洋史ゼミ
現4年生が3年生だったときの演習風景とインタヴューも掲載されています。ご笑覧あれ。
2013年6月10日月曜日
科研ホームページ
ルンド大学の古谷先生から、「礫岩国家科研のホームページのアドレスをお知らせします」とのメール到来。
→ http://conglomerate.labos.ac
さらには 「近日中に新規科研「歴史的ヨーロッパにおける複合政体のダイナミズムに関する国際比較研究」の内容にアップデートしていく予定」 とのことです。
ぼくもこの科研では連携研究者としてたいへんに恩恵にこうむってきました。今後も乞うご期待。
→ http://conglomerate.labos.ac
さらには 「近日中に新規科研「歴史的ヨーロッパにおける複合政体のダイナミズムに関する国際比較研究」の内容にアップデートしていく予定」 とのことです。
ぼくもこの科研では連携研究者としてたいへんに恩恵にこうむってきました。今後も乞うご期待。
2013年6月1日土曜日
歴史として、記憶として
こんな論文集?集団的記憶集?が出ました。
喜安朗・北原敦・岡本充弘・谷川稔 (編) 『歴史として、記憶として』
(御茶の水書房、2013年5月末刊行)
-『社会運動史』1970~1985- という副題が付いています。
2年前からいろんな会合と連絡がつづきました。70年代半ばに社会運動史研究会の実務を担当していたぼくとしては、この本にやや中途半端に協力しましたが、現時点でこうしたものを編集し公刊する動機/理由にはよく分からないものが残りました。19名の著者たちがそれぞれ勝手放題のことをしたためているのですが、とはいえ、できあがったものをみると、複数の志向性が相互に響きあい、問題も浮かび出て、それなりに意味のある歴史的証言集かな、と思います。
322+19 pp. しかも各ページには21行も詰まっている!
索引が充実していて、これをさぐる人には、いろんなことがゆったりと判明する構成になっています。1970年代を知らない読者には、驚くべき事実も含まれているでしょう(第3部を書いている人びとも、よく理解していない事情がたくさんあります)。
谷川さんからすると、この本は「喜安朗」論集であるだけでなく、「東大西洋史=柴田三千雄」論集でもあるんだな。
ぼく個人としては、諸事情のため、短く生硬な覚書(pp.176-182)となりました。やがて -いますぐにではなく- しっかりと十分に再論することを、お約束します。
喜安朗・北原敦・岡本充弘・谷川稔 (編) 『歴史として、記憶として』
(御茶の水書房、2013年5月末刊行)
-『社会運動史』1970~1985- という副題が付いています。
2年前からいろんな会合と連絡がつづきました。70年代半ばに社会運動史研究会の実務を担当していたぼくとしては、この本にやや中途半端に協力しましたが、現時点でこうしたものを編集し公刊する動機/理由にはよく分からないものが残りました。19名の著者たちがそれぞれ勝手放題のことをしたためているのですが、とはいえ、できあがったものをみると、複数の志向性が相互に響きあい、問題も浮かび出て、それなりに意味のある歴史的証言集かな、と思います。
322+19 pp. しかも各ページには21行も詰まっている!
索引が充実していて、これをさぐる人には、いろんなことがゆったりと判明する構成になっています。1970年代を知らない読者には、驚くべき事実も含まれているでしょう(第3部を書いている人びとも、よく理解していない事情がたくさんあります)。
谷川さんからすると、この本は「喜安朗」論集であるだけでなく、「東大西洋史=柴田三千雄」論集でもあるんだな。
ぼく個人としては、諸事情のため、短く生硬な覚書(pp.176-182)となりました。やがて -いますぐにではなく- しっかりと十分に再論することを、お約束します。