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2023年1月29日日曜日
年末年始のこと:2
27日の帰途、すでに日没直後でした。運河にかかる橋は軽く太鼓橋になっていて、視線の先、南西の空には明るい三日月! 穏やかな気持で、あぁこのところ月を見上げるということもなかった、そもそも新月前後だったから‥‥、と想いがたゆたう時に、
いきなり後方からドヤしてきたのが、自転車に乗った中年男でした。「橋の真ん中でうろうろすんじゃない」。そしてぼくの顔を見て、さらに絡んできた!
そもそもぼくは(一休さんではないので、橋の真ん中ではなく)橋のアーチの頂点だが右端の、歩道の中ほどを歩いたり止まったりしていたわけだから、自転車の男のほうが遠慮しながら走行すべきなのですよ! でもこの類のアラフォーと口論しても何もいいことはないので、どう遣り過ごすかを第一に考えて対処し、結局、どつくのをやめた彼が次の信号で左折するところまで、しっかり目視しました(以後、再会しないように)。
このアラフォー君も、きっとなにか彼なりの問題と課題をかかえて、心に余裕がなかったのでしょう。夕焼け空や「冬の大三角」などを見上げて想いをただよわせると、すこし気分も変わるでしょうにね。
2023年1月28日土曜日
年末年始のこと:1
月刊『図書』の連載「『歴史とは何か』の人びと」* はアタフタしながらも、なんとか続けています。毎回、たっぷり勉強して(積ん読だけだった本もすみやかに読破して)新しい発見もあり、「楽しくて為になる」連載です。
* 9月:トリニティ学寮のE・H・カー → https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/6074
10月:謎のアクトン。11月:ホウィグ史家トレヴェリアン。12月:アイデンティティを渇望したネイミア。1月:トインビーと国際問題研究所。2月:R・H・トーニと社会経済史。3月:フランス革命史とルフェーヴル。‥‥
ところが、旧臘19日に2月号(トーニと社会経済史)の原稿を仕上げ、ホッとしたとたんに、翌20日未明に事故発生。
トイレにゆこうとした妻が体の向きを変えようとして、尻もちをつきうめきました。段差も障害物もないのですが、布団がはみ出ていたかもしれません。痛がっていましたが、すごい転倒というわけでもなく(事が深刻とは想像もしなかった)、明るくなるまで待ってもらい、タクシーで、なじみのカイロプラティークに行きました。しかし、これは外科に診てもらわねばならないということで、救急車に頼りました。
【救急車はあまり待たずに来て車内に収容されましたが、時節柄、空いている病院を探し当てて車が動き始めるまで、3人の隊員が電話をしまくって、82分もかかりました! 病院まで、別に渋滞していたわけではないが、28分。計110分。医療逼迫の現実を身をもって認識しました。】結局、かなり遠い、初めての病院に到着。検査の結果、股関節の大腿骨頸部骨折でした。
70歳以上の(ときには還暦以後の)女性によくある大怪我ということで、そういえば、6月に△さん、前年に◇先生と、先例を指折り数えることができます! 「段差のない所で、何につまずいたということでなく、ふわっと転んだ。強い打撲というわけでもないのに骨折した」といった話を他人事として聞いたばかりでした。
医師には、骨折部分に金属ボルトを入れる手術が必要、術後のリハビリを含めて3週間の入院、と告げられました。
ただちに入院手続をとって、想い出したのは、2010年にケインブリッジで知り合ったX夫人からうかがった話です。- 彼女は交通事故で入院し、手術は成功しても半身不随になると予告されたので、それなら、と入院中に医師・看護師が見ていない時にできるだけ四肢を動かし(最初はベッド内で、後には起き出して)、この自発的運動によって、みごとに今のとおり完全恢復した、とおっしゃるのでした。このエピソードを想い出して、二人で話題にしました。