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2010年6月16日水曜日

Blackbird singing in the dead of night . . . .

 悠長にマンチェスタのことを書き続けようとしていたら、東京のさる事務方からお叱りのメール。15日午後(JST)までに提出すべき書式があったろう‥‥と。
そのとおり、でもファイルがHDに入ってるから大丈夫、とタカをくくっていたのが間違いのもと。

 想定していたぴったりのdocファイルはHD内になく、関連PDFのほうはいざ開けようとしたらしっかりパスワードがかかっているではないか。しかもそのパスワードはぼくが設定したものではないので、想像力ではこじ開けられない! もう東京は宵の口で当局に尋ねることはできない‥‥。
 火事場の念力で二つの対応策を考えつき(じつは直ちに思いついたのではないので、時差がある)、それぞれ頼りがいのある筋に緊急メールで依頼。答えが返ってくるまでには時間が必要なので、可能な部分について学寮の頼りがいのないプリンタで印刷。これがしかし、テキストも一太郎も印刷してくれないもので、まずはワードかPDFに変えてからUSBメディアをもってPC室に行く。3台のプリンタ(hp)もそれぞれ個性があって、美麗にはゆかない。読んで添削できればよし、と割り切って使うしかなし。
 途中を省略して、どこかの学寮の May Ball の喧噪と花火をやり過ごし、ひたすら作業を進行しているうちに聞こえてきたのが クロウタドリの美声。
http://www.youtube.com/watch?v=CM--r-BTmEo ← こちらは未明の2羽の歌の応酬
http://www.youtube.com/watch?v=997RTKzc39c&feature=fvw  ← こちらは昼間の歌う姿
(雀みたいなチュンチュンも聞こえますが、遠近で競って歌うやりとりを聞いてください。どちらもぼくのではなく public domain の作品です。)

 時計をみると3.38.(日本時間11:38、まだ午前中だ!) 英国はまだ夜明けどころか‥‥とはいえ、窓外の空をみると白み始めているのでした。
 Cambridge Pocket Diary 2009-2010 には毎週(日)の日の出・日没時刻が記してありますが、6月13日は Sun rises 4.38, sets 9.21 とある。つまり日の出ちょうど60分前に鳴き始めたわけです。しかも昼間の歌声よりずっと精力的で、テンポが速く、テクニックのかぎりを尽くしてるかのよう。起き抜けにテリトリをしっかり確定しておかねばならないのでしょう。
 ビートルズの Blackbird singing in the dead of night . . . . は「詩的許容」というか、ありえないことを歌っておもしろがってる歌、などと勝手に思っていましたが、ほんとに眠れない夜の未明に啼き始めて、あぁもう夜明けも近い、と思わせるのですね。
 というわけで、日本時間の正午前に、濃密な内容の4ページのPDFを作成して送付することができました。関係者の方々、そして Clare Hall のクロウタドリくん、ありがとうございます。
【ところで、日本では時刻を12:00と表記し、イギリスでは12.00と表記する慣行です。どこから違ってきたんでしょう?】

 未明・早朝から美麗になき、夕方は名ごり惜しげに andante cantabile で啼きくらす毎日。昼間はどうしてるのかというと、写真のように木もれ日の芝のなかで餌をあさり、あるいは葉桜のなかでサクランボを食ったり、ひたすら栄養補給しているのでした。あの小さな身体で、すばらしいテノールの声量で歌いつづけるには、当然、たいへんなカロリーが必要なのでしょう。
 Blackbird はヨーロッパ全域からインド・オーストラリアに生息し、極東にはいないとのこと。残念です。この小鳥がいると、人は穏やかになります。

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