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2014年2月4日火曜日

『みすず』 読書アンケート特集


月刊のみすず』1/2月号、到来。「読書アンケート特集」、例年のことですが、156人の物書きたちが新刊・旧刊の本について所感を述べる、自由な空間です。しかも(おそらくは)原稿の到来順に組んであるので、だれの稿がだれの後に、といったことは予想不可能。

宮地尚子さんという(ぼくの存じあげない)方は、書物として『みすず』「読書アンケート特集」そのものを挙げておられます。「‥‥書き手の個性が豊か。その時々の心情を吐露したものや、自己宣伝に近いもの、自分の好みというより自分の領域で読んでほしいものの紹介など、様々。‥‥隠れた精神的系譜も見えてきます」(p.24)とのこと。大新聞の書評欄とは全然ちがう知的な宇宙が広がり、ぼくの大事な勉強部屋です。というより、たとえればオクスブリッジにおける SCR かな。オクスフォードでは Senior Common Room, ケインブリッジでは Senior Combination Room と微妙な表記の違いは譲らないんだが、実質は同じ。
みすず書房の「ハウス・スタイル」への賛辞も、自然と受けとめられます(p.57)。
坪内祐三さんという方には、ルカーチ『歴史学の将来』(11月刊)にも言及していただきました。「フール・ジャパンに必要なのは、現代史(つまり政治)リテラシーだ」(p.110)といった発言もあって、いまだ捨てたものではないな、という気になります。

ところで、ぼくの挙げたものはというと、
ハンナ・アーレント『イェルサレムのアイヒマン』(みすず書房、1969)
ステュアート・ヒューズ『大変貌』(みすず書房、1978)
熊野純彦『日本哲学小史』中公新書、2009
熊野純彦『和辻哲郎』岩波新書、2009
です。
横文字のものを少なくとも1つという、例年、自分に課している方針を守ることができなかったことにも現れているとおり、熟慮する時間がなくて、すぐ手近のものを列挙。これでも中長期にわたって振り返ると、なんらかの意味が見えてくるんでしょう。恐ろしい。

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