『新しく学ぶ 西洋の歴史 - アジアから考える』(ミネルヴァ書房)が到来。
執筆者を見て驚きました。計100名を越えています。
「モンゴル時代」より後、日本・アジアから展望した同時代の世界史ということで、村井章介さんも、松井洋子さんも、三谷博さんもいます!
そして皆々さんの執筆分担は各章の「序論」であれ、「総論」であれ、節であれ、ただの2ページ(表裏1枚)。なんだい、と思いながらそれぞれの部分を読んでみると、しかし、各トピックが簡単明瞭に浮き彫りにされて、案外に悪くない。
問題は、それぞれの部分をどなたが執筆したのか、ただちには分からないことです。執筆分担者を知りたいんなら、巻末の細かい字の執筆者紹介から該当の章節を捜しあてればよい、という方式らしいが、これはいささか難行です。
むしろ目次や各部分タイトルの下部に執筆者名を挿入するという方式なら、テクニカルに簡単なはずです。しばしば教科書的出版物には章節執筆者名をないがしろにする傾向がありますが、これはそもそも執筆者を軽視しているし、学生にたいする教育上も良くない。
E・H・カーも『歴史とは何か』で言っているでしょう。「歴史を研究する前に、歴史家を研究すべきなのです。」「事実とは‥‥広大な大洋を泳ぎ回っている魚のようなもので、歴史家がなにを捕らえるかは‥‥海のどの辺で漁をするのか、どんな漁具を使うのか、どんな魚を捕まえようとしているのかによるのです。」(岩波新書 pp.27-29)
というわけで、「責任編集者」は版元にたいして一踏ん張り、「責任」を果たすべきでしたね。(南塚さん、どうお考えですか?)
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