22日(日)は、午前の日本西洋史学会大会会場にてゆっくりお話しできないまま、午後は急ぎ、東京駅から中央特快にて国分寺乗り換えで国立へ。
初夏の眩しい日差しの中、見知った顔を認めながら兼松講堂へ参りました。
安丸さんのお別れの会。急ぎ参じてよかったです。
<写真は一橋大学社会学部のページより拝借>
第一部は安丸さんがどんな学者だったか(こちらはたいていの参列者は知っている)、そしてどんなに良き教師だったかもよくわかるお話がつづき、涙が止まりませんでした。大軒さんという元朝日新聞の方がバッハの無伴奏チェロ第2番の「サラバンド」を演奏してくださったのも、場に相応しい演出でした。
第二部はマーキュリホールに移動して、多摩丘陵を眺めながら、立食の会。卒業生の皆さんの賑わいで、次第にちょっとわたしたちは部外者、という空気になりかけましたが、最後のご夫人の「セビリヤの理髪師」発言が、全員を大いに幸せにしてくれました。お茶も立てていただき、ありがとうございます。
懇談中には、出版界の方々からやや暗い声を耳にしましたが、しかし『現代思想』では安丸良夫特集号を編むとのこと。ぼくも書かせていただきますが、全部を読むことを楽しみにしています。
なおまた、北原 敦さんの「フランス革命からファシズムまで: 二宮・柴田・グラムシとの対話」が『クリオ』の最新30号に出ているのを見ました。pp.1-38. 元気になります。 →『クリオ』の連絡先は東大西洋史学研究室です。
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2016年5月24日火曜日
2016年5月20日金曜日
安丸良夫先生 お別れの会
21日(土)、22日(日)は日本西洋史学会大会@慶応大学です。
ぼくは木畑さん、鈴木さんの講演も含めて両日とも参りますが、22日にかぎって、午前の研究報告が終わったら(午後に興味深い小シンポジウムがあることは承知していますが)一橋大学に急行します。
日曜の午後2時から兼松講堂で、安丸良夫さんとお別れする会があるのです
→ http://www.soc.hit-u.ac.jp/info/pub/index.cgi?id=419
ぼくにとって安丸さんは1975年以来の特別の方です。
→ http://kondohistorian.blogspot.jp/2016/04/19342016.html
日本の歴史学にとっても重要な役割を果たされました。やはりこちらを優先させていただきます。いかなる意味で、どのように特別なのか、いずれ一筆、書きましょう。
ぼくは木畑さん、鈴木さんの講演も含めて両日とも参りますが、22日にかぎって、午前の研究報告が終わったら(午後に興味深い小シンポジウムがあることは承知していますが)一橋大学に急行します。
日曜の午後2時から兼松講堂で、安丸良夫さんとお別れする会があるのです
→ http://www.soc.hit-u.ac.jp/info/pub/index.cgi?id=419
ぼくにとって安丸さんは1975年以来の特別の方です。
→ http://kondohistorian.blogspot.jp/2016/04/19342016.html
日本の歴史学にとっても重要な役割を果たされました。やはりこちらを優先させていただきます。いかなる意味で、どのように特別なのか、いずれ一筆、書きましょう。
2016年5月17日火曜日
日産ゴーンと 礫岩のような複合企業
今朝の『日本経済新聞』電子版によると、
「日産、1000万台クラブへ。仏ルノーやロシアのアフトワズなどとアライアンス(提携)を駆使し、競争力を高めてきたゴーン氏。三菱自動車を事実上、傘下に組み入れ、提携戦略は新たな局面に入る。ゴーン流 連 邦 経 営 に死角はないのか。」
→ http://mx4.nikkei.com/?4_--_48696_--_962477_--_2
合同や吸収合併でなく、アライアンスとか連邦経営といった語がふだんから国際企業の経営について使われているのか。知りませんでしたが、しかし、今回の三菱自動車の不正事件から急転直下、ゴーン日産の積極的な出資と提携によって、コングロマリット (conglomerate: 国際複合企業)であることをさらに推進するという戦略は、さらに鮮明になりました。
6月に刊行される編著『礫岩のようなヨーロッパ』(山川出版社、2016)はあくまでヨーロッパ近世史の共著です。
〈近世ヨーロッパの「国のかたち」が歴史学を動かす〉
というキャッチの論文集で、公共善と秩序を、絶対主義と帝国を問題にしますが、その序章「礫岩のような近世ヨーロッパの秩序問題」p.16では、Oxford University Museum におけるポルトガル出自の礫岩標本 =カラー写真をカバーに用います= を掲げたうえで、こう書きました。
図1の標本は「‥‥1580年前後のイベリア半島の礫岩状態を考える場合にも、あるいはポルトガルから独立したブラジルに生まれ、レバノンで育ったフランス人、カルロス・ゴーンが社長を務める国際複合企業「ルノー=日産」を見る場合にも示唆的」だと。
J. H. エリオットにならって、ぼくだけでなく本書の共著者はみんな、法的に対等な合同(連邦)と従属的な合同(併合)という2つの型、を区別して討論しています。もし連邦経営という語が、今日の経営学でふつうに用いられる語なのだとしたら、それにも言及すべきだったかな。
上の引用文を書いた12月には、三菱自動車がこんなことになって、それに乗じて日産がアグレッシヴに Unus non sufficit orbis という世界戦略を鮮明にするとは予想もしていなかったのですが。かくして礫岩、コングロマリット、国際複合企業は現代的なキーワードでもあります。山川出版社さん、初版部数について、定価について、(ゴーンに倣えとまでは申しませんが)いま少し積極的に出ても良いんじゃないでしょうか?
「日産、1000万台クラブへ。仏ルノーやロシアのアフトワズなどとアライアンス(提携)を駆使し、競争力を高めてきたゴーン氏。三菱自動車を事実上、傘下に組み入れ、提携戦略は新たな局面に入る。ゴーン流 連 邦 経 営 に死角はないのか。」
→ http://mx4.nikkei.com/?4_--_48696_--_962477_--_2
合同や吸収合併でなく、アライアンスとか連邦経営といった語がふだんから国際企業の経営について使われているのか。知りませんでしたが、しかし、今回の三菱自動車の不正事件から急転直下、ゴーン日産の積極的な出資と提携によって、コングロマリット (conglomerate: 国際複合企業)であることをさらに推進するという戦略は、さらに鮮明になりました。
6月に刊行される編著『礫岩のようなヨーロッパ』(山川出版社、2016)はあくまでヨーロッパ近世史の共著です。
〈近世ヨーロッパの「国のかたち」が歴史学を動かす〉
というキャッチの論文集で、公共善と秩序を、絶対主義と帝国を問題にしますが、その序章「礫岩のような近世ヨーロッパの秩序問題」p.16では、Oxford University Museum におけるポルトガル出自の礫岩標本 =カラー写真をカバーに用います= を掲げたうえで、こう書きました。
図1の標本は「‥‥1580年前後のイベリア半島の礫岩状態を考える場合にも、あるいはポルトガルから独立したブラジルに生まれ、レバノンで育ったフランス人、カルロス・ゴーンが社長を務める国際複合企業「ルノー=日産」を見る場合にも示唆的」だと。
J. H. エリオットにならって、ぼくだけでなく本書の共著者はみんな、法的に対等な合同(連邦)と従属的な合同(併合)という2つの型、を区別して討論しています。もし連邦経営という語が、今日の経営学でふつうに用いられる語なのだとしたら、それにも言及すべきだったかな。
上の引用文を書いた12月には、三菱自動車がこんなことになって、それに乗じて日産がアグレッシヴに Unus non sufficit orbis という世界戦略を鮮明にするとは予想もしていなかったのですが。かくして礫岩、コングロマリット、国際複合企業は現代的なキーワードでもあります。山川出版社さん、初版部数について、定価について、(ゴーンに倣えとまでは申しませんが)いま少し積極的に出ても良いんじゃないでしょうか?
2016年5月10日火曜日
立夏
5日が立夏ということで、たしかに荒天のあと、夏のような日になりました。
ところで「夏」と「冬」の違いは、日本では暑いか寒いか、夜中や朝に起きた場合に上に羽織るものが必要か、床に足が直についたときに「冷たっ」と思うか、心地いいと思うか、といった点に現れます。
イギリスを含む北ヨーロッパでは、たしかに寒暖の差もないではないけれど、暑い日が少ないので、なによりも日の長さに季節の変化が現れます。夕方、図書館や文書館を出たときに真っ暗か、まだ明るいか。Summer time という語に実感がこもりますね。
植物も小鳥たちも、温度だけでなく明るい時間の長さに反応して生き、成長しているわけです。
ところで「夏」と「冬」の違いは、日本では暑いか寒いか、夜中や朝に起きた場合に上に羽織るものが必要か、床に足が直についたときに「冷たっ」と思うか、心地いいと思うか、といった点に現れます。
イギリスを含む北ヨーロッパでは、たしかに寒暖の差もないではないけれど、暑い日が少ないので、なによりも日の長さに季節の変化が現れます。夕方、図書館や文書館を出たときに真っ暗か、まだ明るいか。Summer time という語に実感がこもりますね。
植物も小鳥たちも、温度だけでなく明るい時間の長さに反応して生き、成長しているわけです。