ご無沙汰しています。
1月は大学関係者にとって1年で一番忙しい月ではないでしょうか? こちらも卒業論文提出にとなう面談や応急措置、その卒論審査・口頭試問、修士論文(2本)の審査、博士論文(1本)の審査、その他の業務の間を縫って、原稿「文明を語る歴史学」を『七隈史学』に送り、原稿「『悲劇のような史劇ハムレット』を読む」を『立正大学・文学部論叢』に提出しました。この土日には京都大学で竹澤先生の「複合国家論の可能性」という思想史のシンポジウムがあり、濃密な「対話」に参加いたしました。
そんなこんなで、いつ登載されたのか知りませんでしたが、品川区のサイトに、10月12日の公開講義の動画が見られるようになっています。前後50分あまり×2 の講演とスクリーンの画像がたっぷり。ちょっと長いかもしれません。
http://www.shina-tv.jp/pickup/index.html?id=983
http://www.shina-tv.jp/pickupindex/index.html?cid=95
論文「『悲劇のような史劇ハムレット』を読む」は、この講演をもとに、EEBO からカール・シュミットから最近の出版まで含めて、まとめて勉強した成果でもあります。3月末~4月初に刊行予定です。
Features
▼
2017年1月3日火曜日
謹賀新年
みなさま、酉の年をいかがお迎えでしょうか。
こちらは 69歳とあいなりました。ときに医者の世話にならないでもないですが、なぜかアイデアは以前よりもさかんに泉のごとく湧いてくるのですね! アイデアをどうやって人に見せられる文章までもってゆくかが問題です。
2016年盛夏に数年来の共編著『礫岩のようなヨーロッパ』(山川出版社)ができあがり、これを持ってケインブリッジ(と北ウェールズ)に参りました。話す人すべてEUリメイン派でした! ただし『図書』の新年1月号への寄稿を機会に調べなおして、ポピュリズムやナショナリズムだけでなく、イギリスにおける「議会主権」(あるいは議会絶対主義)という政治文化については等閑にできないなと再考しました。ケーニヒスバーガの卓見にも思いいたりました。イギリス最高裁の判決は1月早々に出るはずです。
シェイクスピア没後400年にちなむ公開講演へのお誘いがあり、高校以来棚上げにしていた『ハムレット』に再び取り組み、10代では想像もしなかった 解 に到りました。近世史あるいは『礫岩のようなヨーロッパ』を勉強してきた結果として付いてきた賜物です。 「天地のあいだには君の学問では想いもよらぬことがあるのだよ」と言い放たれたホレイショくんとしても、それが「長い16世紀」の states system の秩序問題だとは、想いもよらなかったでしょう。「『悲劇のような史劇ハムレット』を読む」として『立正大学・文学部論叢』(2017年春)に発表します。
今年はロシア革命100年ということもあり、多くの出版が予定されているようです。議論はますますおもしろくなりそう。ぼくの側では、コミンテルン史観(そのソフト版も含めて)の批判として「文明を語る歴史学」を『七隈史学』(2017年春)に寄稿してこれまでの議論を整理します。
2017年正月 近藤 和彦
こちらは 69歳とあいなりました。ときに医者の世話にならないでもないですが、なぜかアイデアは以前よりもさかんに泉のごとく湧いてくるのですね! アイデアをどうやって人に見せられる文章までもってゆくかが問題です。
2016年盛夏に数年来の共編著『礫岩のようなヨーロッパ』(山川出版社)ができあがり、これを持ってケインブリッジ(と北ウェールズ)に参りました。話す人すべてEUリメイン派でした! ただし『図書』の新年1月号への寄稿を機会に調べなおして、ポピュリズムやナショナリズムだけでなく、イギリスにおける「議会主権」(あるいは議会絶対主義)という政治文化については等閑にできないなと再考しました。ケーニヒスバーガの卓見にも思いいたりました。イギリス最高裁の判決は1月早々に出るはずです。
シェイクスピア没後400年にちなむ公開講演へのお誘いがあり、高校以来棚上げにしていた『ハムレット』に再び取り組み、10代では想像もしなかった 解 に到りました。近世史あるいは『礫岩のようなヨーロッパ』を勉強してきた結果として付いてきた賜物です。 「天地のあいだには君の学問では想いもよらぬことがあるのだよ」と言い放たれたホレイショくんとしても、それが「長い16世紀」の states system の秩序問題だとは、想いもよらなかったでしょう。「『悲劇のような史劇ハムレット』を読む」として『立正大学・文学部論叢』(2017年春)に発表します。
今年はロシア革命100年ということもあり、多くの出版が予定されているようです。議論はますますおもしろくなりそう。ぼくの側では、コミンテルン史観(そのソフト版も含めて)の批判として「文明を語る歴史学」を『七隈史学』(2017年春)に寄稿してこれまでの議論を整理します。
2017年正月 近藤 和彦