みなさま、酉の年をいかがお迎えでしょうか。
こちらは 69歳とあいなりました。ときに医者の世話にならないでもないですが、なぜかアイデアは以前よりもさかんに泉のごとく湧いてくるのですね! アイデアをどうやって人に見せられる文章までもってゆくかが問題です。
2016年盛夏に数年来の共編著『礫岩のようなヨーロッパ』(山川出版社)ができあがり、これを持ってケインブリッジ(と北ウェールズ)に参りました。話す人すべてEUリメイン派でした! ただし『図書』の新年1月号への寄稿を機会に調べなおして、ポピュリズムやナショナリズムだけでなく、イギリスにおける「議会主権」(あるいは議会絶対主義)という政治文化については等閑にできないなと再考しました。ケーニヒスバーガの卓見にも思いいたりました。イギリス最高裁の判決は1月早々に出るはずです。
シェイクスピア没後400年にちなむ公開講演へのお誘いがあり、高校以来棚上げにしていた『ハムレット』に再び取り組み、10代では想像もしなかった 解 に到りました。近世史あるいは『礫岩のようなヨーロッパ』を勉強してきた結果として付いてきた賜物です。 「天地のあいだには君の学問では想いもよらぬことがあるのだよ」と言い放たれたホレイショくんとしても、それが「長い16世紀」の states system の秩序問題だとは、想いもよらなかったでしょう。「『悲劇のような史劇ハムレット』を読む」として『立正大学・文学部論叢』(2017年春)に発表します。
今年はロシア革命100年ということもあり、多くの出版が予定されているようです。議論はますますおもしろくなりそう。ぼくの側では、コミンテルン史観(そのソフト版も含めて)の批判として「文明を語る歴史学」を『七隈史学』(2017年春)に寄稿してこれまでの議論を整理します。
2017年正月 近藤 和彦
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