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2019年9月5日木曜日
迷走する英国に将来はあるのか
8月末に書きましたとおり、ひたすら引き籠もりの夏ですが、イギリス議会のことは危機感とともに見ています。ジョンスン首相の議会 suspension (延期・一時権限停止)案というのは17世紀のチャールズ1世以来の暴挙、すわ革命か、といった策です。
9月3日の官邸前記者会見で訴えたのは、1. Police, 2. Hospital, 3. Schoolへの予算配分だけ、これであとは‘no IFs, no BUTs’の Brexit へ突入するというのですから、無手勝流もいいところです。内政というより保守党支持者を繋ぎ止めるための政策だけで、あとはどうしようというのでしょうか。これが英国首相の演説とはにわかに信じられません。
現地4日(水)の庶民院では
1) 野党提案の「No-deal Brexit を阻止する法案」可決。
2) これに対抗して首相から解散・総選挙提案、これは圧倒的に否決。
与党保守党から党議違反の21議員が造反し、除名。
ソースは https://www.bbc.com/news/uk-politics-49580180
https://www.bbc.com/news/uk-politics-49584907
では、これで野党筆頭の労働党が優位に立ったかというと、残念ながら党首ジェレミ・コービンはただの旧左翼です。1980・90年代にサッチャ・メイジャ政権が長く続いた根拠にはときの労働党の無為無策がありました。今回も - 2010年以来の長期保守党連立政権です - 似ていると思います。ブレア・ブラウンの新労働党政権(1997-2010)が去ってから、労働党は New Labour でなく Old Labour に戻っちゃったのですね。
たしかに2016年以来のキャメロン・メイ・ジョンスンのリーダーシップには愚かで党利党略に走ったところがありました。でも、その愚策のままに許したのは野党第一党の労働党です。
英国(美しくひいでた国)と表記されて、明治以来の日本人の多くから一目置かれてきたイギリス、連合王国。
歴史と金融と高等教育で生きながらえてきた老大国は、2016年のレファレンダムから以降の混乱を抜け出さないかぎり、人材もカネも流出して、尊敬も注目もされない、ただ歴史をほこるだけの老国になってしまうでしょう。
歴史的な老国といっても、イタリアの場合は、風光明媚で、北から南まで魅力が尽きない、男女とも魅力的、なんといっても(どこへ行っても)食べたり飲んだりに楽しみがある。
イギリスは、太陽が不足して、なにしろ食べたり飲んだりに楽しみがない!
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