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2021年8月4日水曜日

還暦を過ぎた桜並木

暑い盛りですね。みなさま、どうぞ無理せず、平常心でお過ごしください。

いまは無人の実家に行き、樹木も雑草も蔓延放題なのですが、隣家や公道に覆いかぶさるような枝葉だけは刈り込んで、多少の手当てをして参りました。
南北の窓をすべて開け放つと、それなりに涼風が通って、爽やかな気持ちになります。蛇口から直接、冷たい水道水を飲むと、小中高校生のころの感覚がよみがえります。
自宅にも学校にも冷房などなかった当時、夏休みは学校に行って級友と遊ぶか、自宅でなにかやっていた。島崎藤村 → 夏目漱石 → ヘルマン・ヘッセ、そして『ジャン・クリストフ』を読むか、ブラームスを聴くか。高校1年の一時期は、ベートーヴェンやブラームスの総譜を見ながら、(作曲ではなく)編曲の真似事などをやっていたこともある‥‥。大学2年の夏は ヴェーバー『宗教社会学論集』との格闘(みすず書房の『論選』翻訳が出るのは何年か後でした)。
暑さをあまりつらいとは思わなかったのは、若かったから? それとも実際いまほど暑くはなかった?
それにしても、この南の庭から北の隣家へと抜ける緑陰の涼風の感覚は、なぜか(60年くらいの時を隔てて!)なつかしく想い起こされました。

近くの公園です。もちろん遊具も道路との境界柵なども、全部入れ替わっていますが、60年を越えた桜の並木は、ぼくの9歳から23歳くらいまでの成長を見知っています。
1956年、県が開発したこの住宅団地に我が家はすぐに入居したのですが、なにもなかった公園には1・2年して遊具が置かれ、桜並木が植樹されたのだと記憶します。ですからこの桜木たちは64歳くらい‥‥。

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