中学生・高校生のころ、冬の夕刻、帰宅時にはすでに暗くなっていましたが、夜空は広く暗く、またぼくの視力も2.0だったので、天の川も鮮やかに見えました。いくつかの星座も覚えました。
冬空のオリオン座(4つの一等星に囲まれた真ん中の三つ星が狩人オリオンの体躯とベルト)、左下にはその猟犬シリウスの白い目(夜空で一番明るいマイナス一等星!)。
オリオンの左肩(赤いベテルギウス)と、シリウスと、その左(東)に大きな正三角形を形成するプロキオン。冬の星空の初心者にもよくわかる大三角でした。
(c)ニッポン放送 https://news.1242.com/article/279622
ところが、いつのまにか視力も減退し、また都市の夜は明るくすぎて、地上から天の川を見ることはなくなっていたものだから、1980年にケインブリッジで夜空に the Galaxy=the Milky Way が鮮やかに見えたのは、嬉しい驚きでした。チャーチル学寮の西の林の中に大学天文台がありました。そもそもケインブリッジが広大な農村部の真ん中に位置して、街灯もあまりなかったから、星を見るのに適していたのでしょう。
この数日、日本海側の大雪の報道を聞きながら、関東平野は寒いけれど、申し訳ないほどの快晴で、しかもこの数日は月も未明・早暁まで出ないので、視力が0.1にも達しないぼくでも、わが家のベランダから夜空を見上げて集中すると、オリオン座や大三角くらい、そして冬のダイアモンド(Hexagon)までは、なんとかわかります。
何十年も前の夜空を想い出しつつ、しかし、あの赤いベテルギウスは、やがてまもなく太陽よりはるかに激しく燃焼して生命を終える運命なのだ(数万年の範囲内で!)と知ると、天文学と歴史学とのスケールの違いをあらためて突きつけられるような気持です。
0 件のコメント:
コメントを投稿