4階にはジュンク堂開店25周年特別企画として「人文学入門の手引」による展示があり、
それぞれ、なかなかの壮観です。
『歴史とは何か 新版』にともなう岩波書店の「特製ブックガイド」23点について、前にこのブログで触れました。 →https://kondohistorian.blogspot.com/2022/08/blog-post.html
「人文学入門の手引」は、7月にジュンク堂からの委嘱があり「歴史学」というジャンルについて5点を推薦ということで、こんな原稿を用意したのでした。
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人文書5冊(歴史学)
1.『翻訳語成立事情』 柳父 章 (岩波新書、1982)
高校3年生や大学1年生が最初に読むべき本。言葉は歴史的に生まれ、使われてきた。「自由」も「社会」も「個人」も「愛」も「彼・彼女」も幕末・明治の東西交流から生まれた。
2.『社会認識の歩み』 内田義彦 (岩波新書、1971)
社会を歴史的に考えるキミのために。マキアヴェリは運の女神は前からつかまえるしかないと主体性をうながし、ホッブズは国家を論じる前に人の感情に立ち入って考える。
3.『歴史学入門 新版』 福井憲彦 (岩波書店、2019)
歴史学をはじめとする学問は20世紀に大きく転換した。今どのような景色になっているか、本書はバランスよく指南してくれる。このあと何を読むと良いか、文献案内もたっぷり。
4.『全体を見る眼と歴史家たち』 二宮宏之 (平凡社ライブラリー、1995)
フランスで生まれ展開したアナール学派。パリで彼らと一緒に史料調査し、議論した二宮による自分ごととしての歴史学。この語りにあなたの心が動かないなら、歴史学はあきらめよう。
5.『歴史とは何か 新版』 E・H・カー 近藤和彦訳(岩波書店、2022)
名著の新訳・註釈付き。「歴史とは現在と過去の対話」、そして「すべての歴史は現代史」といった有名なせりふの意味を知りたければ、これを読むしかない。歴史学入門の仕上げ。
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ところが、内田さんも二宮さんも版元品切ということで、しばらく悩んだあげく、エイヤッと ↓ 写真のように差し替えてみたわけです。
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