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2023年9月17日日曜日

怖かった! → 反省

忙しかった2週間も実り豊かに終わり、今日(土)は宿からすぐ北の Regents Canal を歩いて、すぐに産業革命期の運河拠点 Coal Drop Yard へ。St Pancras駅の裏手、今日のロンドンのもっともfashionable なエリアかもしれない。東京の湾岸再開発と似て非なのは、新しい建物が東京では超高層で、あいだが空きすぎ。ロンドンではせいぜい10階建てなので、隣りが近く、また上からの圧迫感がない。ガスタンクを模したcondominiumなど、パンデミック前からあった景観ですが、住宅も店も広場もふえて、今日は土曜ということもあり、家族やカップルの人出がたいへん多い。
通りにこんな掲示板が続いていました。一連の関係するメッセージですが、手前の板には queer generation、3枚目の板には Queer Joyという語が明記されています。
そのあとBLへ。ほんの数時間滞在して、出ようかと思ったら出口近くにて Magna Carta特別展。簡潔で良いト書きとともに、要領の良い史料展示、そして専門的なコメントを中世史家だけでなく、近現代史家もヴィデオでやっています。リンダ・コリ先生、ジャスティン・チャンピオン先生にも久方ぶりに対面したような気になりました! 土曜なので、5時閉館。

といった具合で、夕方は観光客より生活者のたむろする所へ。South Kensington-Gloucester Road あたりをうろつき、イタリアンで軽い夕食とワイン2杯。上機嫌で地下鉄に乗りました。自分では酔っていたつもりはないのだが、空いた夜の電車で男4人、女2人の若者の着衣とふるまいに引きつけられ、彼らが降りるところを撮影しました。(顔は写らないようにしたが、一種の隠し撮りではあった。)
それをただちに咎められ、大柄の4人+2人に攻囲され、追及され、カメラを取り上げられ、destroy it とか‥‥。ぼくとしてはカメラそのものより、この2週間の記録が台無しになるのを恐れ、中身の保全第一に考えました。
このお兄さんたちにまずは謝り、I'm sorry では軽いので、I apologize. いろんなことを叫ぶ彼らのスピードに付いてゆきつつ、どうするか、なにができるか‥‥ぼくは station staff と何度も繰り返し(そのうちに口の中がカラカラになり)、若者たちもstaff だ、policeだと口にするようになった。
改札の中年女性、そして中年の男性が中立的に落ち着いて対処してくれて、ぼくのカメラの該当画像1枚をdeleteしたうえ、他の画像もざっと確認して(なんだかよくわからぬ文書や、町並ばかり‥‥)、若者計6名はぼくを威嚇しつつ消えていった。そもそも警官とは接したくない人びとでしょう。
Station staffは怪我をしなくて幸運だったと慰めてくれつつ、車内の撮影はいけません、ときっぱり明言。たしかに観光客に興味本位で撮られちゃ、愉快ではない。
ぼくが一種の文化人類学者気取りでカメラを向けたのに怒って、‥‥最後はカメラの操作画面をのぞきこみつつ、Chinese や Kantoneseじゃなく英語にしろ、とか叫ぶ気持は分からないではない。怖かったと同時に、済まなかったという気です。I apologize again.
(40年以上前にケインブリッジで同時に留学していたイスラエル人の文化人類学者夫妻が東京に来て、街頭でも地下鉄内でも人びとの様子を無遠慮にパチパチ撮りはじめたので、ぼくが不愉快になったのを今、思い出しました。動物園の珍獣か、原住民をみるまなざし‥‥。)
みなさんも、旅先ではどうぞ慎重に。

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