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2012年12月9日日曜日

真珠湾攻撃


8日朝の『日本経済新聞』で、西洋史出身の郷原記者と、文書館担当の松岡編集委員の共同記事を見ました。
「大使館怠り説 覆す? 新事実」↓
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49302190X01C12A2BC8001/

これは時宜をえた記事です。郷原くんの健在もうれしい。専門家の間では特筆すべきほどの発見じゃないのかも知れないが、国民周知の事実ではないのだから、この愚劣の歴史を、マスコミはもっと繰りかえし報じるべきです。
最後に渡辺昭夫・東大名誉教授が述べるように、この発見があってもなくても、12月8日(US時間で7日)のパールハーバが宣戦布告なき奇襲攻撃であることは、紛れもない事実。

それにしても、軍部だけでなく外務省も共謀して、攻撃を開始する時刻よりあとに通告するように計ったという。無能な役人が暗号解読・翻訳に時間がかかって、あるいは不在で遅れてしまった、というのではない、故意の遅滞のために、わたしたち子々孫々にいたるまで、事あるたびに恥じなければならない。「それ以外に勝つ手段がなかったから‥‥」?

とんでもない。
戦争とは国際的な力のゲームなのだ。「はっけよい」と手をつく前に突っかかっては相撲にならないのと同じ。国際法のルールを、はたして将兵は周知していたのだろうか。一方の「生きて虜囚の辱めを受けず」と同様に、ガラパゴス列島の中だけで通用する発想と倫理でやっていたわけだ‥‥。

しかも、じつはすべての交信がアメリカに傍受され、解読され、文書館に保存されていたのだから、(日本の外務省は発信記録をなぜか紛失した - 東京裁判のため?)なんと虚しい‥‥。

戦後はその反動で、全国民が戦争を呪い忘れれば、即、平和主義であるかのようなフィクション、じつはアメリカの核の傘の下に守られてこそ通用する、ほとんどママゴト民主主義でやってきた。
のろわしい記録の紛失 ⇔ 記憶の喪失。

がっかりしてしまう。

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