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2020年3月6日金曜日
神保町を歩く
コロナウィルス19とスギ花粉の時候がら、「不要不急の外出」は控えていますが、緊急必要のタスクがあれば、それなりの防備をした上で出かけざるをえません。大学にも、量販店にも。しかし一番良いものはやはり神田神保町の古書店街に、ということで、火曜・木曜には久方ぶりに出かけました。
靖国通りに面した2つの老舗店で良い買い物ができました。
崇文荘書店は(坂巻助手、岡本先輩に教えられ)社会経済史も充実して、70年代にはお世話になったものです。書店側でも本の価値がよく分かっていて「ちょっと高め」の価格設定でしたね。今はどうかな。「日本の古本屋」kosho.or.jp というウェブぺージがあって、読者は歩き回らなくても相場がわかる(今では海外の古書店に注文するのも手軽にできる)ということもあり、それなりにリーズナブルな価格設定でなければ、売れません。
田村書店は、仏文の田村先生と関係あるのかないのか知りませんが、フランス文学や古典学に強い店。2階へ上がる階段にも古書が一杯で、階段幅は半分に狭まっている! そういうこともあって、これまでこの書店の2階に上がった覚えがない。今回は「日本の古本屋」で2巻本のラテン語辞典がかなり安く出ていたので、問い合わせたら、まだ在庫、というので飛んで行きました。ご主人とちょっとお話しできたし、なにより1階の和書は、今でも勉強家の学生にとって魅力的な掘り出し場です。
上の両店ではなく、別の古書店の前の歩道で、ちょうど荷車から降ろしているのを見かけたら、なんと西洋近世近代史の(ぼくの蔵書の一部、といっても通る)良い本ばかり複数の山を造っている! 思わず蔵書印かなにか手がかりをと思って手にとろうとしたら、「ダメです、店の中のものだけにしてください」と厳命されてしまった!
春の晴れた午後。まだ日本の書籍市場も捨てたものではない、という気持にさせてもらいました。
(とはいえ、駿河台下交差点付近では、小川町ですが、昔むかしのエスワイルという洋菓子店も、またKKR・気象庁方面へ向かう千代田通りの左手・地下にあった鰻の店も、なくなっています。どちらも最初は柴田先生に連れて行ってもらった店。ずっとご無沙汰していたぼくもいけないのだが、悲しい。)
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