2011年2月5日土曜日

『みすず』読書アンケート


 『みすず』1・2月合併号(no. 590)到来。待ってました! 恒例の前年の読書アンケート。 去年とほとんど同じ感想をもちますが‥‥
 書く側としては、年末年始の繁忙時に、それなりに意味のあることを書き記すために、慌ただしいけれど、冬休みに取り組んでいる書き物と感応して、それなりの勢いのある文となる。
 できあがった『みすず』を読む側としては、大学関係者だと2月前半は最高に忙しいが、しかし旧知あるいは未知の物書きがなにをどう書いてるのか、楽しみではある。じっさい今年は今月3日深夜に手にして、翌日早朝の出勤を控えながら、自室で立ち読みしてしまった!
 好きなことを書かせてくれる、みすず書房に感謝。1年間に読んだ物について(新刊に限定せず)自由に、という編集方針は合理的です。 夏の『週刊読書人』〈上半期の収穫〉よりも長めに書けるのは嬉しい。定点観測的な意味をもつ短評として、この年中行事を位置づけています。

 ちなみに、今回ぼくが取りあげたのは、
1. 遅塚忠躬『史学概論』(東京大学出版会、2010)
2. 二宮宏之「歴史の作法」『歴史を問う』(岩波書店、2004)
3. 塩川徹也『発見術としての学問』(岩波書店、2010)
4. OED online (OUP)
です。
ただ列挙するのではつまらないので、遅塚忠躬と二宮宏之、フランスとイギリス、「普遍と洗練」「覇権と実用」「言語論的転回」といったことで、話に筋をつけてみました。 
『みすず』の今月号は → www.msz.co.jp/book/magazine/
去年は
 1 勝田俊輔『真夜中の立法者 キャプテン・ロック』
 2 高橋慎一朗・千葉敏之編『中世の都市』
 3 西川正雄編『ドイツ史研究入門』
 4 Craig Horner, ed., The diary of Edmund Harrold, wigmaker of Manchester 1712-15
 5 Charles Beddington, Canaletto in England

一昨年は、
 1. 金澤周作『チャリティとイギリス近代』
 2.『丸山真男書簡集』全5巻
 3. 加藤周一『日本文学史序説』上下
 4. 西川正雄『社会主義インターナショナルの群像 1914-1923』
 5. Douglas Farnie, The English cotton industry and the world market 1815-1896
でした。

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