2011年7月21日木曜日

『イギリス史研究入門』 2刷

 まったくお待たせしました。『イギリス史研究入門』の2刷、ぼくの手元にはようやく昨日落手しました。

 第2版ではないので、初版1刷と外観は変わりませんし、ページだても同じです。しかし、当然予想されるように第7章の終わりかた(p.179)、第12章の終わりかた(p.293)、そして第二部に2010年、2011年刊行の本がいくつも補充されるといった追補があります。じつは、それ以外にも p.236 の地図や巻末付録、そして全巻におよぶ修文など、細々した補正がいっぱい。

 たとえば p.315 を見ていただいて、これだけ文献・リソースを充実させながら、しかし、1刷と同じく、第二部は p.379 で余白を確保しつつ終わる、といったことがどうして可能なのか。いろいろ点検して、小さな発見を続けてくださいな。

2011年7月17日日曜日

le quatorze juillet

 柴田先生をしのぶ会。‥‥あつかった。

 想定外に多いドタ参、思いの外にたっぷりしたお話、案外の音響効果も加わって、あわてました。とはいえ、集った皆さんは善意の人ばかり。
しめやかなのは密葬で済んでいますので、今夕は期待したとおりに、懐かしく楽しい集いとなり、よかった。
 最後の挨拶にもありましたように、柴田史学をこれから前向きに継承するのが、われわれの課題だと思います。あまりボヤボヤしておられません。
 『史学雑誌』7号に寄せた追悼文だけでは意を尽くせませんので、べつにも書きます。

2011年7月11日月曜日

こんなページ

少しは楽しい話題を、ということで、みなさん、東大文学部のサイトに、こんなページがあることはご存じでしたか?

これは柴田元幸さん↓
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/personage/1713.html
ほかにも、ずっとアカデミックな人、びっくりする人、等々、
それぞれお顔がずいぶんアップで写っているのも利点かな。
→ http://www.l.u-tokyo.ac.jp/personage/

2011年7月9日土曜日

Strawberry Hill

 ちょっとは明るい記事ということで、IHRからのご案内です↓↓
 ロイヤルホロウェイの皆さんは、学校の催しでさんざ連れていかれた所ではないかな。
Dear Friend

This summer we are organising a group outing for Friends of the IHR to Strawberry Hill House on Wednesday 10 August.

As you may know, Strawberry Hill House was created by Horace Walpole in the 18th century, and is known for its beautiful gothic architecture. The house has been recently restored and has only just been opened to the public. For more details on the house and its gardens please have a look at their website: www.strawberryhillhouse.org.uk

The tour, which will be exclusively for the Friends, will begin at 11.30am and lasts for approximately one and a half hours. The cost will be £15.00 per person.

After the tour it will be possible to buy a light lunch in the cafe at the house. If you would like to do this, please let us know and we will book a table for our group.

We are limited to 20 places so please contact us if you would like to book a place.

Strawberry Hill House is in Twickenham, for more information on how to get there please following this link: http://www.strawberryhillhouse.org.uk/travel-info.php

2011年7月4日月曜日

本郷の変貌 - 楠を切る愚 -

 ご無沙汰しています。またもや悲しいニュースです。

 先のエントリから6週間もあいだが空きました。
 理由として、例年より2コマ多い授業;柴田先生関連の追悼文の執筆(『史学雑誌』7号)や 7月14日の準備とかいったこともないではありません。しかし何といっても、総合図書館前で写真に見ていただくような変な工事が進行して、驚愕し、動揺し、しかもこれを推進している方々がぼくの知らない人々ではない、という事実に当惑して、無力感にさいなまれている、というのが大きい。


 5月26日、文学部教授会において、鈴木先生がじつに冷静・簡潔に、1923年関東大震災の戒めの象徴である噴水(地下は貯水池)と楠の大樹2本を、2011年東日本大震災の年に破壊するという東大執行部の案は愚劣にして驕慢、と説いてくださって、これで安心と思いきや。
教授会関係者がほとんど本郷にいない6月4日(土)に、写真のような工事が速やかに遂行されたのです。枝ばかりでなく、根回りも「処置」されました。ほとんど重機の前に投身して、業務妨害=阻止行動をとりたい気分でした。

 東大の総合図書館書庫問題は、もう20年前から議論されていて、ぼくは今の建物の真下の地下か、農学部の野球場の地上および地下に10層の書庫を建築すべきだと言い続けていました。予算がかかりすぎるとかなんとかいった理由で、むずかしいとされてきました(本気に検討されたことはあったのでしょうか)。
→ http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/contents/ac.html
 今回は、それゆけ現(文系)執行部のうちに、という拙速案で、歴史も記憶も景観も思慮も、どこかへ吹っ飛んでしまった。たった300万部の図書のために、楠の大樹2本と、立派な噴水を抹消するなら、現執行部と新図書館構想会議のメンバーは将来にわたって呪われるでしょう。(300万部って、ケインブリッジ大学中央図書館の3分の1にも満たないよ!)

 みなさん、工学部の公園スペースの緑のなかに、前田藩のお女中の呪いを鎮めるための灯籠が、いまでも大事に保存されていることを、ご存じですか。新図書館構想会議のメンバーである歴史学の先生方が、歴史を粗末になさるのを端で見ているのは、じつに悲しく虚しいことです。