2014年8月29日金曜日

全勝さんのページ

 すこし涼しく、楽になりました。とはいえ、豪雨やたいへんな災害に見舞われている地域の方々には、申しあげる言葉もありません。

 岡本全勝という方がホームページを持っていらして、じつに精力的に発言なさっています(ということに、ようやく最近に気付きました)。政治と行政のど真ん中で発言なさっているエリート官僚のお一人でしょうか。大学でも教えておられるようです。
 その全勝さんが、なんと『イギリス史10講』について、全9回の連載でコメントをくださいました。こういう「公共精神の立場から国家百年の計を考え行動」なさっている「経国済民の士」(p.206)の目に止まったというのは嬉しいことです。その論評は、わが業界の若い院生や研究者とは異なるレヴェルで、実際的にしかも知的に行われていて、これも有り難いことです。
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http://homepage3.nifty.com/zenshow/seiji/seijinoyakuwari/seiji47.html
http://homepage3.nifty.com/zenshow/seiji/seijinoyakuwari/seiji48.html

 「引き続き、『民のモラル ― ホーガースと18世紀イギリス』、『文明の表象 英国』を読みました」とのこと。有り難うございます。たしかに岩波新書を書きながら想定していた主な読者は、史学科の学生よりは、もうすこし大人の人たちでした。そういう人たちの手にも届いたのだとしたら、もって瞑すべし、ですね。

2014年8月19日火曜日

舩橋晴俊くん

 この1週間、北海道にいて、インターネット環境はあまり良くありませんでした。
『北海道新聞』の紙面で15日朝に舩橋くんがくも膜下出血で亡くなったと知り、にわかに信じられません。今日18日が告別式だったとのこと。
 駒場の折原ゼミ以来の友人で、1972年5月、ぼくの結婚祝いの会にも参加してもらいました。東京都副知事を父とする秀才ですが、学問的には20代前半に模索を繰りかえして、経済学部でソ連経済の研究を志すこともあったようです。結局、環境社会学の創始者の一人となり、ぼくと違って(また Weber とも違って)、現実の問題と実際的にとりくむ学者です。
 生まれ育った大磯を愛する人でした。法政大学では学部長など要職をこなしつつ、プロジェクト・チームを運営しておられました。4年前に『世界環境年表』のために会ったのが最後となるなんて、想像もしていませんでした。66歳。原発問題にも取り組んでおられ、志なかば。無念だったでしょう。北海道とはいえ真夏の日射の下で、目眩がしました。しっかりしたことも書けません。

2014年8月2日土曜日

註釈 『イギリス史10講』、リポジトリへ

 昨12月に刊行された『イギリス史10講』(岩波新書)ですが、文字どおり皆さまのおかげで、第5刷が出ます。これまでもそうでしたが、該当ページ内に収まるかぎりの修正をほどこしました。たとえば本文中に(p.267)のように参照ページを追加する、また索引の指示ページを若干ふやす、といったことも含めて、微細かもしれないがあきらかな改善と考えています。どうぞよろしく。

 なお、別のサイトですでにご案内したことですが、『イギリス史10講』p.304で予告しました「やや長い註釈」は、『立正大学大学院紀要・文学研究科』30号(2013年度)pp.71-87 に掲載されています。これがそのまま立正大学の学術リポジトリに登載されました。
http://repository.ris.ac.jp/dspace/handle/11266/5295

 Title: 註釈『イギリス史10講』(上)-または柴田史学との対話-
 Other Title: Ten Lectures of British History, annotated
 Author: 近藤 和彦 KONDO Kazuhiko
 Issue Date: 31-Mar-2014 (実際は4月)
 URI: http://hdl.handle.net/11266/5295

 どなたも PDF で読み、ダウンロードすることができます。お試しください。
岩波新書に書けなかった論拠や研究史的コメントなどはたいへん長くなり、1回では収まりませんので、今回は(上)として、同紀要の次号に(下)を発表することとします。