『「歴史とは何か」の人びと - E.H.カーと20世紀知識人群像』(岩波書店、2026年1月)にはたくさんの人びとが登場して、たがいに結びついたり反発したりします。いささか錯綜するかもしれないので、主要人物18名について、巻末(13)に対照年表を置きました。
人は「独立の一個人であるとはいえ、じつは社会的な存在であり、時代の産物である」(はしがき、v)というとおり、本書の登場人物たちも、第一次世界大戦、ソ連の成立、第二次世界大戦、東西冷戦、ソ連の崩壊‥‥といった時代のなかに生まれおち、それぞれの生活環境(ミリュー)のなかで呼吸し、出会い、友情をはぐくみ、争い、ことをなしとげたり、挫折したりするわけです。この本を書き進むにつれて、この対照年表に示した18名 およびそれ以上の人びとについて、既知の事実や言説がおびていたはずの深い意味が「読めた」、あるいはまた予期もしていなかった関係・連関や展開が、忽然と「見えてきた」ということがしばしばありました。
「読めた」「見えてきた」というのは、歴史(historia)をやっていて究極のよろこびではないでしょうか。これをポリフォニーの悦楽とまで呼べるのかどうか、わかりません。いずれにしても多声的な表現はできたかな、と思います。
この人物対照年表、必要なら拡大プリントして、ご活用ください。ケインズ、ウェブ夫妻、アイリーン・パウワ、ベティ・ベーレンスなども補って書き込んで用いると、より有益になるでしょうか。

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