2022年6月16日木曜日

王のいる共和政 ジャコバン再考 詳しい目次

先日も言及した中澤達哉(編)『王のいる共和政 ジャコバン再考』(岩波書店、6月28日刊)ですが、いつのまにか岩波書店のウェブサイトに、以下のようなぺージが載っています。
編者名や本のタイトルだけなら、他の広告でも見られますが、
かなり詳しい目次 → https://www.iwanami.co.jp/book/b606557.html
そして何より、
立ち読み(試し読み) → https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/tachiyomi/0615440.pdf
のコーナーがあるというのは、すばらしい! どうぞ、ご一瞥を。

1 件のコメント:

古谷大輔 さんのコメント...

ひとりの読者の立場で、「立ち読み」してみました。最近の僕は院・学部・高校の各レベルに合わせて「外国を研究する」ことの意味を伝える授業で、間テクスト性の考え方を借りつつ他者を自己の内面に包摂しながら批判する「共約(通約)可能性」の探索だと説明する機会が多いのですが、それを具体的に伝える素材として日欧間での概念の租借/翻訳の歴史をよく題材にします。「はじめに」で中澤さんが書いてくれている日本語によるres publica受容の話は、この論集が「ジャコバン再考」にこと寄せられながらも、日本語による共和政/共和主義理解やそうした理解に裏付けられてきた日本での歴史解釈、はてはそうした解釈に裏付けられてきた民主主義の再考に結びつくという点で、決して「向こう岸」の問題でなく、今の日本で生きる人にとってアクチュアルな問題をもつことを示してくれている論集だと思いました。(中澤さんは、さらにひろげて今日の世界的な問題としてこの論集の論点を開示してくれています。)今月は、共和主義的パトリオティズムの変遷をわかりやすい日本語で整理してくれた将基面貴巳さんの『愛国の起源』が刊行されると同時に、この『王のいる共和政』が刊行され、日本語で「共和政/共和主義」と語られてきた概念に再考を迫る機会が与えられた大事な月になりました。一読者としてこの論集を手に取り、皆さんと議論する機会の到来が楽しみです。