2010年2月14日日曜日

『イギリス史研究入門』(山川出版社)



 『イギリス史研究入門』の編集作業は、いまタケナワ。山川出版社、2010年5月刊です。外見は、先を越されてしまった『アメリカ史研究入門』に似ていますが。
 内容的には、第I部と第II部にわけて、第I部第1章が総説。以下は時代とテーマによって11の章にわけ、それぞれ専門家が執筆しています。11名の共著です。
 第II部は、文献・リソースを列挙し、参照すべき文献、そして鉱脈を探りあてるための手がかりを示します。
 内容には自信がありますが、技術的にはウェブサイトや digital archives をどう表記するか、など、煩雑でなく簡にして要をえた表現(スマートな本)をもとめて、もう初校というのに、まだ改良のための模索は続きます。
 乞うご期待。
 なお、従来から用いていた掲示板coocan
   → http://kondo.board.coocan.jp/
については、掲示板という性格を生かして『イギリス史研究入門』のための Q&A サイトとして再生利用しようと思います。どうぞ、よろしく!
【2月7日(日)にしたためたブログですが、14日に悪意のコメントがありました。いったん削除し対策をほどこしたうえ、あらためて登載します。】

2010年2月6日土曜日

『みすず』読書アンケート


 『みすず』1・2月合併号(no. 579)到来。待ってました! 恒例の前年の読書アンケート。 去年の2月(http://kondo.board.coocan.jp/)と同じことを書きますが‥‥

 書く側としては、師走の多事多端のときに、それなりに意味のあることを書き記すために、慌ただしいけれど、それなりの勢いのある文となる。
 読む側としては、とくに大学関係者だと2月は最高に忙しいが、しかし旧知あるいは未知の物書きがなにをどう書いてるのか、楽しみではある。一種、寒中見舞いを交わすようなところがあります。【ちょうど西川純子さんから『歴史学の醍醐味』(日本経済評論社)をいただいたので、今日、お礼状にこの『みすず』の記事を添えて送りました。】
 みすず書房に感謝。 各人が1年間に読んだ物についてしたためる(旧刊書もよし)、という編集方針は合理的です。
 夏の『週刊読書人』〈上半期の収穫〉とともに、ぼくの定点観測的な意味をもつ短評として、この年中行事を位置づけています。

 ちなみに、今回ぼくが取りあげたのは、
 1 勝田俊輔『真夜中の立法者 キャプテン・ロック』(山川出版社、2009)
 2 高橋慎一朗・千葉敏之編『中世の都市』(東京大学出版会、2009)
 3 西川正雄編『ドイツ史研究入門』(東京大学出版会、1984)
 4 Craig Horner, ed., The diary of Edmund Harrold, wigmaker of Manchester 1712-15(Ashgate, 2008)
 5 Charles Beddington, Canaletto in England (Yale U. P., 2006)

 『みすず』の今月号は → www.msz.co.jp/book/magazine/

 去年は、
 1. 金澤周作『チャリティとイギリス近代』
 2.『丸山真男書簡集』全5巻
 3. 加藤周一『日本文学史序説』上下
 4. 西川正雄『社会主義インターナショナルの群像 1914-1923』
 5. Douglas Farnie, The English cotton industry and the world market 1815-1896
 でした。