2013年5月13日月曜日

小シンポジウム3 & 林志弦


¶ 昨12日(日)は五月晴れで、百周年時計台記念館の学会よりは北山・東山へと出かけてしまった方々も少なくなかったのではないでしょうか。

 ぼくはというと、午前中、A3で2枚×200部のレジュメ・複写に手間取りました。街中のコンビニは、コピーを数枚とるには便利至極ですが、うけつけるのは最大限99枚まで。お金も千円札1枚かぎり。したがってちょうど200部+自分用1部をコピーするためには、どんなに工夫しても、3回の設定、それを2度繰りかえす、という羽目に。途中で、トナー交換、用紙の補充。コンビニの不慣れな店員より、ぼくにやらせてくれたら、もっとすみやかにできるのに‥‥と思いながら待ちました。こういうことは大学で済ませなくちゃいけないんだな。

 というわけで、他のメンバーをやきもきさせながらも、昼食をかっ込んで、定刻に開始することはできました。お一人からの深夜のメールを無断部分引用しますと、
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「「礫岩」という共通のテーマが多面的に、かつ凝集力をもって報告され、問題提起も
含めて5本の報告が、惑星系のようにそれぞれ響き合っていましたが、この種のシンポジウムとしては希有なことではないでしょうか。」
「‥‥私が刺激を受けたのは、「礫岩(状態)」が静態的なものではなく、政治的主体間の多様な「交渉の結果として」「可塑的」に成立しながら、一つの秩序をなしている、という論点でした。それぞれの事例研究は、その様態を非常に説得的に提示していたと思います。」
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 ありがとうございます。当然ながら、登壇した者だけでなく、科研メンバー全員、そして他の研究会と合同でやりとりを繰りかえした成果であり、皆さんとの共鳴関係のお陰だと思います。

 フランス史、ドイツ史の方々との討論も、これからの課題となるでしょう。それより前に、東欧も北欧もイベリア半島もブリテン諸島も、「ヨーロッパ周縁世界」として位置づけられ、かつそこに注目することがヨーロッパ(近世)の本質を見やすくする、ということが本科研グループの呈示する vantage point として、会衆のみなさんにアピールできたかと思います。

 ひとまず3年間の共同研究としては成功したと見てよいのではないでしょうか。ここまでの中間報告として共著の公刊、さらなる新研究への発展、‥‥と楽しいアイディアが次々に湧いてきます。

¶ それから、11日の林志弦(Lim JieHyun)の講演は盛り沢山でおもしろかった。彼の有能さと自負も感得されました。

 なお、ぼくが『現代の世界史』および『世界の歴史』(世界史A)の共編著者だとは、ご認識がなかったようで、山川出版社の担当編集者とともに挨拶しておきました。

4 件のコメント:

古谷大輔 さんのコメント...
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古谷大輔 さんのコメント...

近藤先生、先日のシンポジウム、お疲れ様でした。そして、あらためまして感謝申し上げます。僕自身もブログのほうでシンポジウムの報告記を整理いたしました。今後ともよろしくお願いいたします!日本西洋史学会第63回大会小シンポジウム「近世ヨーロッパにおける礫岩国家 ―複合する政体、集塊する地域― 」を振り返る

近藤 さんのコメント...

古谷さん
それぞれ個性的な「礫」の集成した礫岩のごときシンポジウムでしたが、それにしても胴元がしっかりしているから進展しているわけです。ありがとう。

近藤 さんのコメント...
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