(承前)
移転先のオフィスは、西窓ならぬ南の水面を見おろし、潮の干満も、水に映る季節感も直接感じることのできるところです。カモメや鵜なども見るので「鴎庵」かな。海面をはるかに望むのでなく、まぢかに臨むので、鴎外の「望潮楼」は、ちょっと当たらない。
60平米あまりということで楽観していたら、じつは西窓亭(27平米)にはなかった風呂・手洗い・台所には本や書類は置けないわけだし、天井もやや低い。
白木の書棚をあつらえて、床の見える、余裕のある知的空間としたい、という願望は、そう容易に実現するものではない、と気付くまで、しばらくかかりました。
まず29日夕、引越業者が帰ったあとはこんな具合:
31日(土)には、荒天にもめげず5人の若者が結集して、かなり段取りよく開箱・排架作業をしてくれました。書斎作りは人任せにできないというのは自明の理として、それにしても大きなアウトラインは機動的にやってもらったほうが、はかどる。意味ある細部は、これから時間をかけてたっぷり詰めます。
壁の書棚は高さ25cm×奥行き20cmで統一しましたが、可動スチール書架の組み合わせで、合理的・機能的な空間とします。
鴎外先生が机を二つ用意して、それを仕事によって替えた、といったことを聞いて/読んで、羨ましいと思ったのは何十年前。これからのぼくは、そうしたいものです。
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