2025年4月9日水曜日

相互関税? 報復関税! 

 April Fool の4月1日を避けて2日(水)に発表されたトランプ大統領の Reciprocal Tariff ですが、驚きですね。『朝日』だけでなく『日経』もはっきりと批判・反対の立場を表明。
なんの合理性もなく、ただの18・19世紀的な貿易収支にこだわる「重商主義」、自国(の大衆有権者の歓心)第一の発想、と見えます。こうした近視眼的な行為によって、国際的な信義も友情も失うことを何とも思わないというのが、「大国」の大統領およびその取り巻きの頭脳だとすると、驚くべきことです。(そもそもドナルド・トランプという男の人生で、友情や信義は意味をもつのでしょうか? ディールとカネだけの人生というのは、さびしい。)
ホワイトハウスは相互関税(と日本のメディアは訳していますが、reciprocal tariff とはこの場合、報復関税でしょう)の計算根拠として、こんな数式を公表したようです。
しかし、万国に対して一律の数式を適用しているわけではありません。
LSEのThomas Sampson によれば "The formula is reverse engineered to rationalise charging tariffs on countries with which the US has a trade deficit. There is no economic rationale for doing this and it will cost the global economy dearly." ということです。つまり結論が先で、それに合わせるべく計算式を経済学の理に反して invention したわけです。
さらにオーストラリアのオールバニーズ首相は、単純明快に的確に This is not the act of a friend. と反応しました(ともにBBC情報です https://www.bbc.com/news/articles/c93gq72n7y1o)。

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