2010年6月14日月曜日
John Rylands University Library of Manchester
1980年代にここで仕事をしていたころは独立の民間法人(charity)でしたが、今では上のような名前のマンチェスタ大学総合図書館の稀覯本(& 文書)部。
John Rylands の生涯については「ジョン・ラィランヅと〈プロテスタントの倫理と資本主義の精神〉」『思想』714号(1983)に書きました。彼の莫大な遺産は「ジェントルマン資本主義論」への反証となる、19世紀マンチェスタ実業資本の力強さを語るものです。未亡人の意志で聖書研究の殿堂が構想され、歴史的な繁華街 Deansgate に Victorian Gothic の大聖堂のような図書館=文書館ができました。開館はちょうど1900年とのことですが、読書デスクに各々電灯というのは、当時最新鋭の設備とのこと。30年ちかく前に来たときは80年余り前の(漱石と同時代の)水洗トイレ、というので感激したものです。そのころと入口は変わって、正面から入れなくなりました。
John Rylands 本人は質実剛健で、この建築が彼の趣味にあったかどうかは分かりません。すでに設計段階から、彼は故人でした。本人についても未亡人についても、ODNB の執筆者は Farnie さんです。
なお、マンチェスタの重要で個性的な3つの図書館については、武居良明『産業革命と小経営の終焉』(未来社、1971)に記事がありました。武居先生はまだお元気なのでしょうか?
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