第2巻〈深層のフランス〉(岩波書店)は、8日(金)発売です。
巻末の「解説」には、こんなことをしたためました。
・「各論考は、執筆された時代とときの学界にたいして発言する著者のアンガジュマンであったが、そうした時代と学界のあり様をあらためて考えることによって、何がどうみえてくるだろうか。」p.435
・「一九八〇年代~九〇年代に広く日本の読書公衆に知られることになる二宮連峰の最初の頂き‥‥」p.438
・「二〇世紀日本の考える歴史家、二宮宏之の自己意識の証言がある。‥‥『講座』と『歴史哲学』は、彼の一生ついてまわる問いとなった。」p.445
・「ブルターニュにおける地域慣行と領主制、土地経営と新税を分析し、民衆の心性を論じる「印紙税一揆」には、一九六〇年代までの二宮戦後史学のエッセンスが流れ込み、ここから七〇年代の二宮社会史が流れ出す。高橋幸八郎の退官を記念する弟子たちの論文集‥‥への寄稿という象徴性、そして長い病臥からの恢復の喜びが明らかである。‥‥二宮は高橋史学のエスプリを継承しつつ、その呪縛から自らを解放した。」pp.445-6
・「第2巻〈深層のフランス〉という名の豊穣な社会文化史のディナーの最後に設けられた、美味なるデザート・コース‥‥。このコースは、苦いコーヒーで締められる。」p.451
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿