2019年9月28日土曜日

アイルランド・チームは国境を越えて

 日本 v. アイルランド は19 対 12という結果でした。ぼくも思わずリアルタイムで観戦してしまいました。
BBC (www.bbc.com/sport/rugby-union)によれば、
Hosts Japan pulled off one of the biggest upsets in Rugby World Cup history as they beat world number two-ranked Ireland 19-12 in Shizuoka.

This was not a result borne of Irish indiscipline or stage fright, but of a truly stunning Japanese performance in front of a cacophonous crowd that lifted their side with a stunning noise that greeted every metre gained, tackle made and turnover won.
It is a result that will, regardless of what happens in the next six weeks of rugby, leave a legacy for generations to come, and will send rugby into a new stratosphere of popularity within the country.

¶ というわけで、ここまではスポーツナショナリズムに圧倒されそうな夜ですが、冷静に受けとめるべきひとつの事実があります。アイルランド・チームは、最初の anthem にも表象されていたとおり、Ireland's Call を歌い、「アイルランド共和国」+「北アイルランド」=アイルランド島 を代表している、つまり国境(政治)を越えたチームだということです。
Irish Rugby Football Union (IRFU)が1875年に結成されたときには、北も南もなかった、島内全域のラグビ・ユニオンだったから、その後の愚かな政治・歴史には左右されない、という単純明快な理由ですね。ラグビ・ワールドカップだけでなく、Six Nations (En, Sc, Wa, Ir, Fr, It) など国際試合での枠組です。
この点、しかしサッカーの場合は Irish Football Association (IFA)が結成されたのは1882年で、その点で事情は同じだったはずなのに、そしてアイルランド国が独立してからも1950年までは国際試合では(努力のうえ)単一チームを編成していたのに、1950年以後は北アイルランドとアイルランド共和国で別チームを編成せざるをえなくなった(政治に負けた)という事実があります。
サッカーに比べてラグビは、より紳士的でエリートの卵向きのスポーツだから、ということでしょうか? どなたか反論してください!

日本チームもまた選手31名中、海外生まれが15名という事実もあり、diversity という点では奮闘しているのですが、それを「君が代」や「さむらい」でまとめるというのが、残念ですね。Nation が政治と歴史によって形成されてきたのなら、このナショナル・チームにふさわしい、現代的な anthem で唱和できれば、much better なのにね。

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