2016年8月24日水曜日

先行作品 と 自分の道

National Gallery にて Painters' Paintings という特別展をやっていますね。
http://www.nationalgallery.org.uk/whats-on/exhibitions/painters-paintings

要するに、ヴァンダイク以来、リュシアン・フロイトにいたる画家が、先行画家の作品をどのように意識しながら創作し、自分を模索したか、ということがテーマで、ほんのすこしでも「蔵書」をもちつつ仕事をするわれわれ学者・研究者・物書きにとって、他人事ではない展示。考えさせる企画です。
歴史は科学か騙(かた)りか、といった抽象的な問題の建てかたにはぼくは反対です。文句なしの学問であり、アートです。じつは先週のケインブリッジでもワークショップが終わってから、日本人6名の間で、先行研究と自分の仕事との「継承と差別化」、言い換えると「先生」を尊重しつつしかし独自の道を歩む、という点で盛り上がりました。驕慢になるというのとは違いますよ。「絶対主義」 → 「市民革命」 → 「民族独立」といったコミンテルン史観粉砕!ということでも。
研究史とか intellectual history とか特殊化することなく、自分の問題として考えるべき論点だと思いました。

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