2011年3月24日木曜日

宮城学院・学院長より

わが同期の桜より、近況のメールあり。以下に転載します。
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 震災見舞いメールをありがとう。それほど大変でもなくなってきたので、返事します。
 仙台市街地の揺れは1978年の地震よりやや大きかったが、さすがに耐震工事がほぼどこも出来ていて、建物倒壊はほとんどなく、死者けが人もわずか。ただ宮城学院でも天井板が落ち、書架・家具が倒れて研究室内はひどかった。
 今回の深刻さは津波。‥‥
 宮城学院でも大学生に死者が、今1人確認。学生生徒の対応はよくやっていると思う。‥‥
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Cengage データベース

下記のとおり、Cengageよりお申し出をいただきました。
それどころではない、という方もあるでしょう。
しかし、もしこれで便宜が生じるなら、文字どおり「災いを転じて福となす」。
復興に精だすと同時に、わが文明的な力を見せつけたいものです。

 近藤 和彦

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拝啓

この度は大変な地震に見舞われましたが
先生とご家族の皆様はご無事でしたでしょうか?
突然の大地震、地震をあまり経験したことのない私には
未だに軽いショックが残っております。
まだ余震、そして原発問題と大変な時期が続きますが
何卒ご自愛の程お祈り致します。

弊社は今回の災害にあたり、
この東北地方太平洋沖地震に見舞われた
大学教職員・学生の皆様に対して
弊社データベースを一定期間無料で提供させていただくことに致しました。
国立大学は東京大学様、私立大学は早稲田大学様、
そして国会図書館情報ポータルであるカレントアウェアネスにて
既にご案内済みでございます。

弊社ホームページ: http://cengage.jp/gale/
アクセス URL: http://infotrac.galegroup.com/itweb/cgjp

パスワード: insights

有効期限: 2011年5月1日

宜しければ、お知り合いの研究者及び学生の皆様、
外国人で被災された方々にご案内ください。

宜しくお願い致します。

敬具

大川 健太郎
Cengage Learning Japan

2011年3月23日水曜日

Statement of Support for Japanese scholars from the UK

下記のとおりメッセージをいただきました。転載します。

Dear Colleagues,

In case you have not already seen it the IHR has joined with the Royal Historical Society, the Economic History Society and the Social History Society in issuing a joint statement (see http://www.history.ac.uk and below) expressing our sympathy with you and the history community more widely in Japan.
Please do let me know if there is any practical assistance we can give. Our thoughts are with you at this difficult time.

Best wishes, Miles Taylor

2011年3月22日火曜日

遅塚忠躬 『フランス革命を生きた「テロリスト」』

 NHK Books 3月末刊 

遅塚さんの遺稿を、岩本さん、早川さん、松浦さんが力を合わせて公刊までもちこんだ本。監修者あとがきと編者あとがきは、どちらも「なかなかよくできている」と受けとめましたが、しかし、とりわけ編者=岩本さんの文は、感涙 止めることあたわず。
これを読むことができるだけでも、この出版は良かった。
「この遺稿を「幻の原稿」にするわけにはいかなかった」p.281
と松浦さんの言うのは正しい。裕子さんのご尽力に、たくさんの読者が感謝するでしょう。

11月15日のご葬儀では、棺の中にご遺体と一緒に岩本さんのご本があるのが見えて、安堵し、涙が止まらなくなりました。
今回の編者あとがきによると、11月はじめに本書の出版作業が始まることが決まって、
「遅塚の顔は、病人でなく学者に戻っていた」という朝があったのですね。遅塚さんも最後は幸せだったのですね。

Letter to the BBC

Are you in Japan? Are you taking part in the recovery efforts?
Send us your comments and experiences というページがあったので、以下のとおりコメントというより抗議文を送りました。


I am professor of history at the University of Tokyo, staying calm, business as usual.
I cannot help being angry at the inaccurate and irresponsible article written by Chris Hogg of BBC News, Tokyo, on 20 March 2011 GMT.
I quote:
'Four days after the earthquake and tsunami hit Japan, a local newspaper in Sendai - the city closest to the quake's epicentre - reported there had been 40 incidents of theft and looting since the disaster'.

Q1. Is Sendai the closest city to the epicentre?
- No. Ishinomaki and Kesennuma are.
Sendai is 100 kilometres distant from the epicentre.

Q2. What is the name of the local newspaper which Chris Hogg says 'reported 40 incidents of theft and looting', and when?
Were the incidents in London or in New York?
He does not specify where.

What is amazing about the disaster and disruption in eastern Japan now is the sensationalism and ungrounded reports of either inexperienced or ill-informed members of the press, who are unable to speak and read the Japanese language.

Will BBC please tell the world that the Japanese are one of the best-literate nations, perhaps the most civilized, in the world today?
They are also polite and commercial, and their cultured life at the time of the present 'national crisis' may be worth investigating. You live and learn.

2011年3月20日日曜日

Business as usual

皆さま

11日以後のひんぱんな余震、判明する甚大な被害、そして福島原発‥‥といった、想像を絶する未曾有の事態には驚き、ほとんど萎縮しそうになります。
ご親戚や知己などに被害はないでしょうか。

さて、この間の卒業式・修了式にかかわる日程につき、個人的希望とはことなる展開となりましたが、東大総長の決定があり、人文社会系研究科・文学部からの通知もあり、研究室=専修課程でも祝賀行事をふくめて中止・延期とせざるをえません。
ただし、大学当局の決定とは別に、当事者だけで判断・行動できる、博士論文審査や委員会、等々の業務や会合は、予定どおりとしたいと思います。

激甚な天変地異であればこそ、可能な業務や支援行動は平常心で粛々とおこなう(Business as usual)というのが、われわれにとっても、われわれを注視している世界の人々にとっても、いま必要だし、求められているのではないでしょうか。冷静にほとんど英雄的に任務を遂行する消防関係者、そして救助関係者には頭が下がります。
対照的に「軽い不安から」余分な買いものに走る庶民、煽るような海外メディアを見るにつけ、その感を強くします。

2011年3月17日木曜日

平成22年度学位記授与式・卒業式について

残念な決定ですが、全教員あての通知を以下に引用します。

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平成22年度学位記授与式・卒業式について、本日17日(木)午後に本学HP
に濱田総長から発表がありました。

URLは次のとおりです。http://www.u-tokyo.ac.jp/gen01/h15_07_j.html

これを受けて、誠に残念ですが、平成22年度の本研究科・学部における学位
記伝達式等は自粛することにいたしました。今後の対応どうかよろしくお願い
いたします。

修了生・卒業生に対する学位記の受け渡し、及び修了証明書・卒業証明書の発
行については、別添のとおり本研究科・学部HPに掲載します。
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「放射線・放射能の基礎知識」についての勉強会

東大の災害対策本部から、以下の案内を周知するよう依頼されました。

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               災害対策本部長
                 理事・副学長 前田 正史

    「放射線・放射能の基礎知識」についての勉強会について

 放射線・放射能についての報道・情報をよりよく理解し、活動に活かし
ていただくために、以下の要領で「放射線・放射能の基礎知識」につい
ての勉強会を開催いたしますので、お知らせいたします。関係者へのご
紹介をお願いいたします。

対象:東京大学 文系及び理系の学部・研究科等、研究所等構成員
   (教職員・学生)

日時:3月18日(金)14時~15時

会場:法文1号館25番教室

        【本件問い合せ先】
         災害対策本部 環境放射線対策プロジェクト
          内線   22038
          リーダー 田中 知(環境安全本部放射線管理部長)
          担当理事 松本洋一郎

追伸:なお、参加人数、教育・研究分野等を考慮し、理学系、工学系につ
いては別の機会を設けております。
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2011年3月16日水曜日

仙台より(代筆)

東北大学経済学研究科のO先生からは、今朝メールを頂戴いたし
御自宅は「食器一つ割れず」でいらっしゃたとのこと。
研究室は「本のカーペット」とのことでございましたが
そのお片付けも済まれたと伺いました。
やはりガソリンと食料の不足は厳しい状況の御様子でした。

Earthquake - Tsunami - Explosion

All my sympathy for the terrible news. I hope that you, and all your family, friends, and students, are safe.
Will this reach you? I'm not sure; but just to let you know that I am thinking of you.
All best wishes: As ever, P.



We have been watching the pictures and reports from Japan with growing shock. We write to our Japanese friends to express our great sadness at the horrendous damage being done to a place and people we have come to admire. You, your families and friends are in our thoughts.
In sympathy J.



We are all thinking of your wonderful country, so badly treated by the destructive forces of nature. Our son is in Tokyo. I don't know whether the phone lines are working, but in case you wanted to call him he is at the HO. We have not heard from him by email this morning, though it was working yesterday. Maybe the electricity is down, due to the explosion at the nuclear plant. He and the other members are still hoping to get their plane back this coming Monday, but who knows?
I hope everyone in your family and among your friends is OK, and I wish much courage and hope to Japanese colleagues, friends, citizens. N.



The devastation that has hit the northeastern part of your great country is front-page news. The nuclear power station explosions on top of the tsunami make this an almost inconceivable human catastrophe. I pray for you, your family, friends and colleagues. It sounds as though no one is untouched, and we all know that a disaster of such scale will have social, economic and political effects across the world as well. Do write when you have a chance, and let me know how you are. C.



We have been watching the situation in Japan with concern for our friends. Tadashi has kept us informed about the situation in Tokyo, so I hope that all is well with you. I am worried for colleagues in Sendai where I spoke a few years ago. I know that the members of the AJC are thinking of colleagues with concern.
Best wishes M.



Just a brief note to tell you how bad we feel about the terrible events in Japan. I hope that all the Kondo family are safe and well and that we will be able to get together again before too long.
Our thoughts are with you and with everyone suffering in Japan at the moment.
Best wishes D.

2011年3月12日土曜日

東日本巨大地震

 何人もの方々からお問い合わせをいただいています。
 電話もたいへん通じにくく、家族の間の確認も滞り、なにより余震がそれなりに大きく、何度も何度も -今でも- 来るのには、参ります。こんな経験はしたことありませんし、千葉に一人で住む老母も「こんな怖いこと、生まれてこのかたなかった」と昨夜の電話で言っていました。亡き父の位牌が、母の代わりに床に転げ落ちて、守ってくれた、とのことです。
 湾岸でもたいへん長く大きく揺れましたが、落下物などはなし。28歳の末娘は、飯田橋から2時間半、徒歩で帰宅しました。

 今日、おそるおそる本郷の部屋に来てみたら、ドアが中に向けて開けられないほど書類や本や箱が散乱していました。主机の引き出しは全開していました。書架が倒れたり棚がはずれたり、といった構造にかかわる損傷はなく、特定の3箇所で物が動き、床に散乱しています。ということは、とりわけ置きかたが不安定だったり、段ボール箱で囲った特定図書やファイルのコーナーで、用益者じしんの責任、ということのようです。

(写真を見て、ふだんとほとんど同じじゃないか、と受けとめられる方々もありそう‥‥)


 それにしても今回の大地震、東京・千葉でこうなのですから、仙台・東北地方は想像をこえる被害だろうと思います。みなさま、ご無事でいらっしゃるよう、お祈りいたします。

 ご心配してくださる方々がおられますので、ミニマムのことはブログに記すようにします。

2011年3月11日金曜日

地震と津波の被害

 14:46、測定史上最大(M 8.8)の地震ということですが、たしかに東京でさえ、これまでに感じたことのない大きな揺れが長く続き、恐怖を覚えました。余震がいまも繰りかえすことには驚きます。岩手、宮城、福島、茨城の方がた、お見舞い申しあげます。
 テレビ画面でみた津波には、戦慄します。千葉のコンビナートの火災も恐ろしい。
 じつは今夕に豊洲で所要があり、朝から在宅で控えていたのですが、津波警報もあり、区からは公共放送で避難指示もあり、お台場の火事の黒煙がこちらまで風で流れてきたり、‥‥そもそもお約束の先方が地下鉄不通にて出かけられないということで結局キャンセル。日時はあらためて、となりました。窓からみえる水面の位置が気になりましたが、めだった変化は素人目には?
 さっそくイギリス、韓国、そして大阪から安否を問うメールが来ました。有難うございます。
電話はこういうときに不便で、天変地異も、ぼくの老母のようなIT文盲には厳しいですね。

2011年3月1日火曜日

英国王のスピーチ/言語能力

 アカデミ賞で沸いていますが、すでに12月25日、試写会の後で感想を述べたとおりです。
http://kondohistorian.blogspot.com/2010/12/kings-speech.html 
その最後に「‥‥アカデミー賞を取っても取らなくても、これは感涙の作品。‥‥ODNB を読んでから、ぜひ見に行きましょう」と記しました。

 BBCにおけるこの開戦スピーチの録音は → こちら

 ハリウッドで受けるためには、ドラマチックに盛りあげることはよいとして、さらに politically correct で、反ドイツ、反ナチス(反・反セミティズム)であることが要件なのか、と思わせる所があります。The King's Speech における Edward VIII とWallas Simpson の親ナチス的言動については、すでに上記で触れましたが、さらに映画におけるチャーチルの扱いを批判する発言が、こちらにありました。 → http://www.slate.com/id/2282194
 Churchill Didn't Say That
 The King's Speech is riddled with gross falsifications of history.
 By Christopher Hitchens

2011年2月26日土曜日

2月は如月

 2月は逃げる月というけれど、何もなしに逃げるのではなく、1年のうち一番忙しくたくさんのことを成し遂げて、あっという間に4週間が過ぎる、という了解でいました。
 今年の2月は、そうです、例年より諸課題が集中する、ということは前から分かっていました。例年の大学院口述試験(M、D)および判定と、卒業論文口述が三大行事。これに文学部のシノプシスおよび成績入力が期日限定のオンライン入力です【想像したとおり、期日は数日延期となりました。こんなに教員が多いのに、首尾よく完了する人ばかりじゃない!】。これに加えて学外のやや重い公務、教科書の日程、招聘予定研究者とのやりとりの不首尾、『二宮宏之著作集』II関連、また身辺の諸々の行事と決定事項‥‥、そして昨日の『クリオ』インタヴューというわけで、やりがいのある仕事ばかり。もちろん東大入試の後始末も、ただちに始まります。
 日英歴史家会議(AJC)や『イギリス史研究入門』2刷りのための作業さえ、滞りがちになりました。

 昨日の『クリオ』インタヴューにかぎって言えば、(2.5度目ということでもあり)3時間あまりもあれば十二分だろうと思っていたら、案外に1994年(第1回AJC とロンドン大学)くらいから先は、慌ただしく駆け足になっちゃいました。晩の会食は新しい会場で、ゆったり楽しめて良かったかな。ただし、はからずも13人の晩餐になりました!

 ところで、『二宮宏之著作集』関連ですが、「月報」2 はご覧のとおり。4月刊です。ぜひ読んでください。ぼくの「解説」は、二宮さんの「豊穣の四〇代」を軸に「力のこもった」というべきか、「力みすぎ」というべきか、とにかく一所懸命に書きました。これが22/23日に*完了していたので、24日のインタヴューは心安く臨めた、というわけです。ぼくは、究極的に教師(授業のパフォーマー)ではなく、物書き(兼)対話者なんだという自己意識を30代からもっていました。2月4日、授業アンケートに厳しいコメントを記してくれた匿名の1学生さん、ご免ね。
 *なぜ完了日が2日にわたったかというと、岩波書店が一太郎を使わないからです。ワードでは行端処理が崩れてしまう;rtfではルビが飛んでしまう;txtではルビもアクサンも消えてしまう‥‥。やりとりを繰りかえしたあと、結局、PDFで完成態はこうなるのだと見てもらうしかありませんでした。でもね、日本の責任ある出版社なら、一太郎で作業ができるようにしておいてほしいな。本当の日本語は ATOK で作文し、日本語の表示・印刷は一太郎で、というのが、ほとんど自明の真理です。

2011年2月24日木曜日

Marie Stopes

 こういうメールが Miles Taylor から来ました。
I am sending you details of an IHR conference next month on Marie Stopes, the birth control campaigner. I mention it to you, as Marie Stopes worked at the Imperial University, Tokyo, Japan 1907-8, and you may know of Japanese colleagues who might be interested in our event.

 マリ・ストープスについては、荻野美穂さんの『生殖の政治学』(山川〈歴史のフロンティア〉)でも重要な人物ですが、ぼくは Carmen Blacker による小評伝でその魅力というか波瀾万丈の人生を読み、いつだかのBBCの特集で、その息子の側からみた嫌らしさみたいなものを知りました。なんといっても eugenicist です。
 前半生では東京帝大からミュンヘン・ロンドンに留学した鉱物学の*助教授と恋に落ち、彼を追って Royal Society fellowship を得て横浜港にむかった。恋に破れたあともたくましく、日本中の鉱山をめぐって鉱石をあつめ、イギリスに帰国してからは、マンチェスタ大学講師、そして性解放および優生学の主導者でした。いさましい写真が残っています。

The birth of the birth control clinic
Wolfson/Pollard rooms, Institute of Historical Research
Friday 11th March 2011

In 1921 Marie Stopes opened the first of her pioneering birth clinics. Her work and its legacy and the subsequent history of family planning are explored in this one day-conference with the University of Exeter.

2011年2月17日木曜日

大聖堂 The pillars of the earth

 ケン・フォレットの『大聖堂』The pillars of the earth(現世の支柱) を基にしたテレビ連続ドラマ「大聖堂」が毎週 NHK BSで上映中です。http://www.nhk.or.jp/bs/movie/index.html
ちょっとだけ問題なきにしもあらずですが、しかし西洋史の人が見逃すのはもったいない。今晩 尋ねたら、院生はだれも見てない!?

 『イギリス史研究入門』で言いますと、その年表1135年前後から(p.381~2)、そして系図(p.391)、ヘンリ1世の姫マティルダをMaudと補って、マティルダとスティーヴンのあいだの骨肉の争い、この時期の尖頭アーチ(ゴシック様式)の急速な普及をになった職人集団、そして叙任権闘争といった時代性のもとに、歴史ドラマを楽しんでください。 cf. http://kondo.board.coocan.jp/

2011年2月16日水曜日

歴史学研究所(IHR)


 ロンドンの歴史学研究所(IHR)の移転工事は去年から予告されていましたが、今朝 所長の Miles Taylor より下記のようなメールが到来しました。前半のみ引用します。詳細は → http://www.history.ac.uk/news/ihr#2613 これからしばらくは不便することになりますね。1921年創立、東大の図書館より古いのだから当然ともいえます。 

As was announced before Christmas, the IHR will be moving this summer into a temporary location for two years, as the University continues with the refurbishment of Senate House. We will be rehoused in the 3rd floor of the South Block and in the Mezzanine. IHR staff have now been allocated new offices and we hope to finalise soon the relocation of the Common Room facilities as well.

We have now agreed with the Senate House Library which sections of the IHR Library will remain on open access during the temporary relocation, and full details of the new arrangements are now available on the IHR website: on the news page and on the Library pages.

I can also announce that the University has confirmed that it will be able to rehouse all of the IHR Events programme, that is our seminars, colloquia, conferences and Friends’ Events programme. It has also been agreed that external scholarly organisations which use IHR rooms and facilities will be charged the same rates during 2011-13 as they would in our usual premises. During 2011-13 our seminars and other events will run in the Ground Floor rooms of the South Block of Senate House, and on the Second Floor of Stewart House.
<後略>

2011年2月14日月曜日

a happy surprise

 日曜の朝。起床は遅く、しかも、なんだか怪しげな営業電話の相手をして、ちょっと機嫌の悪い状態で、またもや電話。‥‥ん、これも営業トークか、と思いきや
「‥‥中学のチョーノーです。近藤くん?‥‥」
えっ、張能正先生!! なんと『朝日新聞』の読書欄、岩波の広告(↓)に君の名前が出ているので、確かめたかった、と。「君はフランス文学が専門ですか」とは、ちょっと困ったが。
 中学卒業は1963年。その後、大学1年のとき千葉県庁でお会いして、また40歳のとき同期会でも再会しました。いま先生は84歳とのこと。あのころは30代でいらしたんですね。お元気な先生とお話しできて良かった。
 じつは、ぼくの英語力の半分は、この先生のおかげなのです。

 中学1年は New Tsuda Reader という教科書で、なんだか印象が薄かったのですが、2年になると、たしか三省堂の The Sun という教科書にいっせいに切り替わって、雰囲気が一気に新しくなった。きっと学習指導要領が変わったことに対応する新教科書だったのでしょう。1年では Have you a pen? と習っていたのに、2年からは Do you have a pen? が正しいとなりました。
 2年の最初の単元は The City という題で、都市なる存在の文明的意味みたいなメッセージのある本文。しかも奥付のページをみると、張能先生はその執筆者の一人として名を連ねておられるじゃないですか。先生はこれを活用しつつ、授業では簡単な和文英訳をどんどん出して、ぼくたちにやらせた。じつに簡単な問題で悩むところは一つもなかったけれど、これは要するに各単元をきちんと理解しているかどうかは、英文和訳でなく、和文英訳で確認できる、という信念にもとづく授業だったのでしょう。
 単純な言い回しを暗唱し、平叙文をただ否定文にしたり、疑問文にしたり。これは入門語学の最初の訓練ですね。

 これは中学の卒業写真。張能正先生は、前列右から4人目。ぼくは‥‥3列目のまん中でした。

 さらに張能先生の授業を補う形で(定年後の?)老先生と、もう一人どこかの大学院生(オーバードクター?)がおそらく非常勤で長文講読(和文英訳)のコマを持っておられた。老先生は完全にカタカナ英語なので、3年になると、発音の良い近藤が朗読しろ、などと命じられることが続きました。
 その老先生は発音は悪くても英語の分かった人で、別の似た表現について成り立つかどうか質問すると、二つの文をならべてどっちも意味の通る立派な英語だ、「アイザー ウィル ドゥーだ」とゆっくりいうのが決まり文句で、Either をイーザーと発音しない「古めかしさ」とともに、これは中学生の頭に刻みこまれた。

 こうした中学校の授業に加えて、NHKの「基礎英語」「英語会話」、そして文化放送の「百万人の英語」を聞くことによって、ぼくの英語の基礎能力は培われました。基礎英語は芹沢栄先生の教養主義的な(中1には高級すぎる)英語入門で、なんと
 The year's at the spring,
 And day's at the morn;
 Morning's at seven;
 The hill-side's dew-pearled;
 The lark's on the wing;
 The snail's on the thorn;
 God's in his Heaven -
 All's right with the world!
なんて暗唱させたのですよ! シャワートレーニングどころじゃない。

 Row, row, row your boat,
 Gently down the stream.
 Merrily, merrily, merrily, merrily;
 Life is but a dream.
というのもあった。なんて速くてむずかしい発音。なんて含蓄のある詩。

 発音とイントネーションこそ、大事。文法を暗記するのではなく、言い回しを暗唱すべし。迷ったときだけ文法に頼ればよい。‥‥1960~63年の国立中学という環境で考えると、なんて理想的な英語教育だったんでしょう!

 千葉高校に入ると、すぐに POD (Pocket Oxford Dictionary) の木村先生との出会いが待っていました。『文明の表象 英国』p.20 に書いたとおりです。

2011年2月10日木曜日

『二宮宏之著作集』第1巻

 昨夜、自宅に届いていました。洗練された造本、美しい版面。なんといっても最初の肖像写真‥‥‥。折り込みの「月報」にも、あまり知られてなかった事実(新宿高校およびパリにおける、伝説?)が記録されています。

 こちらの写真は、あまり知られていないでしょう。1960年、羽田を発つ二宮さんです。28歳。横になっている旗は「東大西洋史」という三色旗から白を除いた、赤・青の学科旗です。1969年に警察に押収されてしまったもの。

 巻末の解説は福井憲彦さんで、これまた福井節というべきか。かなり楽に、わかりやすく書いておられる。ぼくの場合(第2巻)はちょっと肩に力が入って、「そもそも二宮史学の1970年代における転回=展開は‥‥」といった議論をするので、こちらが先だと堅い。刊行の順番が逆でなくて良かった。分業による、よき協業となりました。【分業による協業という概念も、内田義彦さんから習いました!】
 岩波書店のサイトはこちらへ。→ www.iwanami.co.jp/series/

2011年2月6日日曜日

新燃岳


 新燃岳の噴火、おどろいて見ています。じつは2002年夏に家族旅行で、霧島温泉に泊まり、韓国岳から霧島連峰を縦走し、新燃岳では、直径数百メートルのお鉢を半分だけ巡って(あと半分はあまりに危険)、このとおり緑色の怪しい火口池を見下ろしました。いまこのお鉢が溶岩で一杯になっているわけですね。1421mの標識なんて、吹っ飛んでるでしょう。

 なおこの間、内田義彦『経済学の生誕』と、映画 Amazing Grace にそれぞれ新規書き込みがありました。匿名さん、ありがとう。
 このブログは簡明で良いのですが、新しいコメントがあっても、それは掲示順には全然反映されないので、よほど注意深い読者でなければ見過ごされる、という欠点があります。coocan の場合は、本文でもコメントでも、つねに新規書き込みの順に並び替わるという方式でした。