2016年2月1日月曜日

『みすず』645号

 「読書アンケート特集」が、到着。
 いまや年中行事です。暮から正月の忙しい折に書くのも大変なのだが、しかし2月に入るとただちに皆さんの文章を読めるのが楽しく、有益。「面白くて、為になる」という昔の講談社みたいな企画です。まだの人は、ぜひ!
 ぼくのがビリに近いところ(pp.96-97)にあるのは、おそらく原稿の到着順、追い込みでページを制作しているからでしょう。そのぼくより後に、阪上孝さん、キャロル・グラックさん、斉藤修さん、野谷文昭さん、沼野充義さん、鎌田慧さん、といった面々が続いているということは、つまりぼくよりさらに遅かったの? 豪傑揃いです。
 いや、とにかく丸山眞男の父、幹治の「人柄」(p.11)とか、「京城学派」(p.13)、「偉大なる韓民族」の「精気」(p.49)とか、初めて知りました。そしてキャロル・グラック(pp.100-102)、いつもながら冴えている!
 今年のぼくは、
 ・パスカル『パンセ』
 ・ヴェーバー『宗教社会学論選』
 ・村上淳一『<法>の歴史』
 ・Kagan & Parker (ed.), Spain, Europe and the Atlantic World; Andrade & Reger (ed.), The Limits of Empire
 ・岡本隆司(編)『宗主権の世界史』
を挙げてコメントしました。
【なお昨年度の拙文は、右上の FEATURES: 『みすず』No.634 にアプロードしました。ご笑覧ください。】
 新刊でなくとも、2015年に読んで感銘を受けた本であれば古典でも、日本語に限定することなく、という編集部の方針が、執筆者には自由をあたえ、読者には多様な本の世界を広げて見せてくれて、うれしい。それから、原稿の到着順だからと想像されますが、最初の30名(?)ほどは、律儀でまた時間に余裕のあるらしい方々が多い。まだまだ元気ですよ、すくなくとも短文を書き、想い出をしたためる力は残っていますよ、という近況報告集のような役割も、この企画は担っているのかな。

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