2011年3月24日木曜日

宮城学院・学院長より

わが同期の桜より、近況のメールあり。以下に転載します。
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 震災見舞いメールをありがとう。それほど大変でもなくなってきたので、返事します。
 仙台市街地の揺れは1978年の地震よりやや大きかったが、さすがに耐震工事がほぼどこも出来ていて、建物倒壊はほとんどなく、死者けが人もわずか。ただ宮城学院でも天井板が落ち、書架・家具が倒れて研究室内はひどかった。
 今回の深刻さは津波。‥‥
 宮城学院でも大学生に死者が、今1人確認。学生生徒の対応はよくやっていると思う。‥‥
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Cengage データベース

下記のとおり、Cengageよりお申し出をいただきました。
それどころではない、という方もあるでしょう。
しかし、もしこれで便宜が生じるなら、文字どおり「災いを転じて福となす」。
復興に精だすと同時に、わが文明的な力を見せつけたいものです。

 近藤 和彦

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拝啓

この度は大変な地震に見舞われましたが
先生とご家族の皆様はご無事でしたでしょうか?
突然の大地震、地震をあまり経験したことのない私には
未だに軽いショックが残っております。
まだ余震、そして原発問題と大変な時期が続きますが
何卒ご自愛の程お祈り致します。

弊社は今回の災害にあたり、
この東北地方太平洋沖地震に見舞われた
大学教職員・学生の皆様に対して
弊社データベースを一定期間無料で提供させていただくことに致しました。
国立大学は東京大学様、私立大学は早稲田大学様、
そして国会図書館情報ポータルであるカレントアウェアネスにて
既にご案内済みでございます。

弊社ホームページ: http://cengage.jp/gale/
アクセス URL: http://infotrac.galegroup.com/itweb/cgjp

パスワード: insights

有効期限: 2011年5月1日

宜しければ、お知り合いの研究者及び学生の皆様、
外国人で被災された方々にご案内ください。

宜しくお願い致します。

敬具

大川 健太郎
Cengage Learning Japan

2011年3月23日水曜日

Statement of Support for Japanese scholars from the UK

下記のとおりメッセージをいただきました。転載します。

Dear Colleagues,

In case you have not already seen it the IHR has joined with the Royal Historical Society, the Economic History Society and the Social History Society in issuing a joint statement (see http://www.history.ac.uk and below) expressing our sympathy with you and the history community more widely in Japan.
Please do let me know if there is any practical assistance we can give. Our thoughts are with you at this difficult time.

Best wishes, Miles Taylor

2011年3月22日火曜日

遅塚忠躬 『フランス革命を生きた「テロリスト」』

 NHK Books 3月末刊 

遅塚さんの遺稿を、岩本さん、早川さん、松浦さんが力を合わせて公刊までもちこんだ本。監修者あとがきと編者あとがきは、どちらも「なかなかよくできている」と受けとめましたが、しかし、とりわけ編者=岩本さんの文は、感涙 止めることあたわず。
これを読むことができるだけでも、この出版は良かった。
「この遺稿を「幻の原稿」にするわけにはいかなかった」p.281
と松浦さんの言うのは正しい。裕子さんのご尽力に、たくさんの読者が感謝するでしょう。

11月15日のご葬儀では、棺の中にご遺体と一緒に岩本さんのご本があるのが見えて、安堵し、涙が止まらなくなりました。
今回の編者あとがきによると、11月はじめに本書の出版作業が始まることが決まって、
「遅塚の顔は、病人でなく学者に戻っていた」という朝があったのですね。遅塚さんも最後は幸せだったのですね。

Letter to the BBC

Are you in Japan? Are you taking part in the recovery efforts?
Send us your comments and experiences というページがあったので、以下のとおりコメントというより抗議文を送りました。


I am professor of history at the University of Tokyo, staying calm, business as usual.
I cannot help being angry at the inaccurate and irresponsible article written by Chris Hogg of BBC News, Tokyo, on 20 March 2011 GMT.
I quote:
'Four days after the earthquake and tsunami hit Japan, a local newspaper in Sendai - the city closest to the quake's epicentre - reported there had been 40 incidents of theft and looting since the disaster'.

Q1. Is Sendai the closest city to the epicentre?
- No. Ishinomaki and Kesennuma are.
Sendai is 100 kilometres distant from the epicentre.

Q2. What is the name of the local newspaper which Chris Hogg says 'reported 40 incidents of theft and looting', and when?
Were the incidents in London or in New York?
He does not specify where.

What is amazing about the disaster and disruption in eastern Japan now is the sensationalism and ungrounded reports of either inexperienced or ill-informed members of the press, who are unable to speak and read the Japanese language.

Will BBC please tell the world that the Japanese are one of the best-literate nations, perhaps the most civilized, in the world today?
They are also polite and commercial, and their cultured life at the time of the present 'national crisis' may be worth investigating. You live and learn.

2011年3月20日日曜日

Business as usual

皆さま

11日以後のひんぱんな余震、判明する甚大な被害、そして福島原発‥‥といった、想像を絶する未曾有の事態には驚き、ほとんど萎縮しそうになります。
ご親戚や知己などに被害はないでしょうか。

さて、この間の卒業式・修了式にかかわる日程につき、個人的希望とはことなる展開となりましたが、東大総長の決定があり、人文社会系研究科・文学部からの通知もあり、研究室=専修課程でも祝賀行事をふくめて中止・延期とせざるをえません。
ただし、大学当局の決定とは別に、当事者だけで判断・行動できる、博士論文審査や委員会、等々の業務や会合は、予定どおりとしたいと思います。

激甚な天変地異であればこそ、可能な業務や支援行動は平常心で粛々とおこなう(Business as usual)というのが、われわれにとっても、われわれを注視している世界の人々にとっても、いま必要だし、求められているのではないでしょうか。冷静にほとんど英雄的に任務を遂行する消防関係者、そして救助関係者には頭が下がります。
対照的に「軽い不安から」余分な買いものに走る庶民、煽るような海外メディアを見るにつけ、その感を強くします。

2011年3月17日木曜日

平成22年度学位記授与式・卒業式について

残念な決定ですが、全教員あての通知を以下に引用します。

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平成22年度学位記授与式・卒業式について、本日17日(木)午後に本学HP
に濱田総長から発表がありました。

URLは次のとおりです。http://www.u-tokyo.ac.jp/gen01/h15_07_j.html

これを受けて、誠に残念ですが、平成22年度の本研究科・学部における学位
記伝達式等は自粛することにいたしました。今後の対応どうかよろしくお願い
いたします。

修了生・卒業生に対する学位記の受け渡し、及び修了証明書・卒業証明書の発
行については、別添のとおり本研究科・学部HPに掲載します。
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「放射線・放射能の基礎知識」についての勉強会

東大の災害対策本部から、以下の案内を周知するよう依頼されました。

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               災害対策本部長
                 理事・副学長 前田 正史

    「放射線・放射能の基礎知識」についての勉強会について

 放射線・放射能についての報道・情報をよりよく理解し、活動に活かし
ていただくために、以下の要領で「放射線・放射能の基礎知識」につい
ての勉強会を開催いたしますので、お知らせいたします。関係者へのご
紹介をお願いいたします。

対象:東京大学 文系及び理系の学部・研究科等、研究所等構成員
   (教職員・学生)

日時:3月18日(金)14時~15時

会場:法文1号館25番教室

        【本件問い合せ先】
         災害対策本部 環境放射線対策プロジェクト
          内線   22038
          リーダー 田中 知(環境安全本部放射線管理部長)
          担当理事 松本洋一郎

追伸:なお、参加人数、教育・研究分野等を考慮し、理学系、工学系につ
いては別の機会を設けております。
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2011年3月16日水曜日

仙台より(代筆)

東北大学経済学研究科のO先生からは、今朝メールを頂戴いたし
御自宅は「食器一つ割れず」でいらっしゃたとのこと。
研究室は「本のカーペット」とのことでございましたが
そのお片付けも済まれたと伺いました。
やはりガソリンと食料の不足は厳しい状況の御様子でした。

Earthquake - Tsunami - Explosion

All my sympathy for the terrible news. I hope that you, and all your family, friends, and students, are safe.
Will this reach you? I'm not sure; but just to let you know that I am thinking of you.
All best wishes: As ever, P.



We have been watching the pictures and reports from Japan with growing shock. We write to our Japanese friends to express our great sadness at the horrendous damage being done to a place and people we have come to admire. You, your families and friends are in our thoughts.
In sympathy J.



We are all thinking of your wonderful country, so badly treated by the destructive forces of nature. Our son is in Tokyo. I don't know whether the phone lines are working, but in case you wanted to call him he is at the HO. We have not heard from him by email this morning, though it was working yesterday. Maybe the electricity is down, due to the explosion at the nuclear plant. He and the other members are still hoping to get their plane back this coming Monday, but who knows?
I hope everyone in your family and among your friends is OK, and I wish much courage and hope to Japanese colleagues, friends, citizens. N.



The devastation that has hit the northeastern part of your great country is front-page news. The nuclear power station explosions on top of the tsunami make this an almost inconceivable human catastrophe. I pray for you, your family, friends and colleagues. It sounds as though no one is untouched, and we all know that a disaster of such scale will have social, economic and political effects across the world as well. Do write when you have a chance, and let me know how you are. C.



We have been watching the situation in Japan with concern for our friends. Tadashi has kept us informed about the situation in Tokyo, so I hope that all is well with you. I am worried for colleagues in Sendai where I spoke a few years ago. I know that the members of the AJC are thinking of colleagues with concern.
Best wishes M.



Just a brief note to tell you how bad we feel about the terrible events in Japan. I hope that all the Kondo family are safe and well and that we will be able to get together again before too long.
Our thoughts are with you and with everyone suffering in Japan at the moment.
Best wishes D.

2011年3月12日土曜日

東日本巨大地震

 何人もの方々からお問い合わせをいただいています。
 電話もたいへん通じにくく、家族の間の確認も滞り、なにより余震がそれなりに大きく、何度も何度も -今でも- 来るのには、参ります。こんな経験はしたことありませんし、千葉に一人で住む老母も「こんな怖いこと、生まれてこのかたなかった」と昨夜の電話で言っていました。亡き父の位牌が、母の代わりに床に転げ落ちて、守ってくれた、とのことです。
 湾岸でもたいへん長く大きく揺れましたが、落下物などはなし。28歳の末娘は、飯田橋から2時間半、徒歩で帰宅しました。

 今日、おそるおそる本郷の部屋に来てみたら、ドアが中に向けて開けられないほど書類や本や箱が散乱していました。主机の引き出しは全開していました。書架が倒れたり棚がはずれたり、といった構造にかかわる損傷はなく、特定の3箇所で物が動き、床に散乱しています。ということは、とりわけ置きかたが不安定だったり、段ボール箱で囲った特定図書やファイルのコーナーで、用益者じしんの責任、ということのようです。

(写真を見て、ふだんとほとんど同じじゃないか、と受けとめられる方々もありそう‥‥)


 それにしても今回の大地震、東京・千葉でこうなのですから、仙台・東北地方は想像をこえる被害だろうと思います。みなさま、ご無事でいらっしゃるよう、お祈りいたします。

 ご心配してくださる方々がおられますので、ミニマムのことはブログに記すようにします。

2011年3月11日金曜日

地震と津波の被害

 14:46、測定史上最大(M 8.8)の地震ということですが、たしかに東京でさえ、これまでに感じたことのない大きな揺れが長く続き、恐怖を覚えました。余震がいまも繰りかえすことには驚きます。岩手、宮城、福島、茨城の方がた、お見舞い申しあげます。
 テレビ画面でみた津波には、戦慄します。千葉のコンビナートの火災も恐ろしい。
 じつは今夕に豊洲で所要があり、朝から在宅で控えていたのですが、津波警報もあり、区からは公共放送で避難指示もあり、お台場の火事の黒煙がこちらまで風で流れてきたり、‥‥そもそもお約束の先方が地下鉄不通にて出かけられないということで結局キャンセル。日時はあらためて、となりました。窓からみえる水面の位置が気になりましたが、めだった変化は素人目には?
 さっそくイギリス、韓国、そして大阪から安否を問うメールが来ました。有難うございます。
電話はこういうときに不便で、天変地異も、ぼくの老母のようなIT文盲には厳しいですね。

2011年3月1日火曜日

英国王のスピーチ/言語能力

 アカデミ賞で沸いていますが、すでに12月25日、試写会の後で感想を述べたとおりです。
http://kondohistorian.blogspot.com/2010/12/kings-speech.html 
その最後に「‥‥アカデミー賞を取っても取らなくても、これは感涙の作品。‥‥ODNB を読んでから、ぜひ見に行きましょう」と記しました。

 BBCにおけるこの開戦スピーチの録音は → こちら

 ハリウッドで受けるためには、ドラマチックに盛りあげることはよいとして、さらに politically correct で、反ドイツ、反ナチス(反・反セミティズム)であることが要件なのか、と思わせる所があります。The King's Speech における Edward VIII とWallas Simpson の親ナチス的言動については、すでに上記で触れましたが、さらに映画におけるチャーチルの扱いを批判する発言が、こちらにありました。 → http://www.slate.com/id/2282194
 Churchill Didn't Say That
 The King's Speech is riddled with gross falsifications of history.
 By Christopher Hitchens