世の中、内も外もおかしなことばかりです。季節も、スギ花粉症の盛りに黄砂まで加わって、調子悪いこと、この上なし。
24日(月)に東京(靖国神社の標本木)の開花宣言がありましたが、わが集合住宅の中庭のソメイヨシノも同じ24日の夕刻に、このとおり。↓
そのあと暖かい日が続いて、27日(木)夜には、このように「四分咲き」というのでしょうか。夜目には十分に美しく見えます。↓
暖かさに誘われて、ヒキガエルも姿を現しました。↓
2021年8月19日木曜日
長雨のあとの半月
8月の初めは例年どおり暑かったのですが、10日を過ぎてから異常な長雨で、被害のつづく地域の皆様にはお見舞い申しあげます。東京をはじめ首都圏は長雨で洗濯物が乾かないとか、植木鉢の植物が過剰な雨水で根がやられてしまったとか、いささか悠長な悩みにとどまりました。気温も下がって冷房を使わない日もありました。むしろ、コロナ禍のほうが真剣な問題であり続けています。
そうしたなか、すでに一昨日の夕刻でしたが、久しぶりに青空が現れ、見事な半月が見えました。青空も月も見ない日夜が何日も続いていたので、いささか新鮮な気持で撮影したというわけです。月を単独で撮るというのでなく、都会の空に位置づけた写真とするのは、そう簡単ではありませんね。目視の印象よりデジカメの写真のほうがはるかに明るく写ります。(今晩も、より円みをました月をタワマンを背景に撮ってみましたが、写真としては暈けてしまったので、こちらはボツ。)
2018年9月30日日曜日
台風24号 最接近
週末に台風24号最接近! 21号に続き、全国的に警戒状態。
というのは存じていましたが、まぁ、大丈夫、と構えていました。
ですから、土日の大阪・中之島センターでの研究会は土曜のみ、日曜は中止/延期、という主催者の方針を聞いて、ぼくとしては、慎重なのはよいが大事のとりすぎかな、という受け止め方でした。なにしろJR東海で予約した出張パックが「宿も列車の座席も指定で、変更不能」という設定なので、面倒だな、というのが正直なところ。
で、金曜午後のぼくの返信は【 28 Sep 2018 15:41 】
「拝復、心配してくださって、ありがとう。日曜なので、美術館、図書館巡りも良いかな、と考えています。いま、出版社にて再校の交渉に向かう車中です。秋晴れの素晴らしい午後です。」
といった呑気なものでした。
これには主催者も慌てたようで【 28 Sep 2018 15:49 】
「‥‥日曜日の昼間は暴風雨が懸念されます(美術館・図書館の閉館も含めて)。もし外出が厳しいということになれば、‥‥[これこれという代案も考えてくれて‥‥]明日はお気をつけていらしてください。」
さらには続伸で【 28 Sep 2018 18:31 】
「‥‥夕方の関西圏のニュース&天気予報を注視しています。JR西日本などは山陽新幹線を含め30日昼から1日にかけて運休の可能性を発表しました。(東海道新幹線はわかりませんが。)こちらのニュースによれば30日夕〜夜が大阪で最も暴風雨の強まる時間帯となり、鉄道・自動車を含め移動が困難になることが見込まれます。一案として「パックで予約されている分は30日朝の宿泊までとし、帰りの新幹線のチケットは事実上”捨てて”もらう」→「あらためて30日朝の新幹線の「新大阪→東京」の片道チケットを予約してもらう(片道分の旅費は主催校でなんとかできないか聞きます)」ことを提言します。」
とまで提案してくれました。
この段階では、西日本ではそうでしょうが、東海道新幹線は大丈夫。なにしろ九州に上陸して四国・中国と経由するうちに台風の威力は弱まるのだから、と公言さえしていました。この間の自然災害について、東京ないし南関東の被害は比較的少なく、徳川家康の江戸立地センスのすばらしさ、なんてことさえ東京の親しい仲では口にしていました!
実際、土曜に大阪について、雨ではあったけれど、とくに風がどうとかいうわけでもなく、午後の研究会は時間とともに討論も充実しました。「礫岩のような国家」をどう見るか、から「近世ヨーロッパ」をどう見るか、さらに今一度、「ウェストファリア体制を再考する」とかいう問題設定から一歩先へ進んで、
・主権概念の生成プロセスにおける類似用語の併存・重なり;
・主権者の家産領や、特権的な社団の編成を越えて「国家/主権国家っていったい何なんだ」という問題への回帰 -
という所まで確認できました。神聖ローマ帝国(Reich)および皇帝(Kaiser)、ドイツ王、ローマ王のなんとも絶妙な用語法も!
5月27日の早稲田における歴史学研究会大会、合同部会「主権国家 再考」およびその特別号での刊行(晩秋)が、おそらく西洋史研究および世界史研究にとってひとつの画期になりそうな予感も共有して、とても良かったのですが、それだけに2日目が先に延期というのが残念至極。
遠方から来て夜の会食後に大阪に泊まるのはぼく一人(他はみな今晩中に帰途へ)、と分かり、さんざ脅かされ、帰宿して、日曜午前は、新大阪発11:40 → 東京着14:13(のぞみ16号)が最終、という報道とJR新幹線サイトも確認しました。そのあと、書いたのは【 29 Sep 2018 23:14 】
「いろいろとありがとう。‥‥テレビおよびインターネット情報で、午前中の新大阪発上りは大丈夫ということで、早めに帰宅します。今日の研究会は、佳境に入って時間切れというのがもったいなかったね。」
という具合に呑気でした。朝食もゆったり摂って、宿は交通至便なところなので、JRを乗り継いで新大阪に11時前に着けば楽々‥‥と。
というのは存じていましたが、まぁ、大丈夫、と構えていました。
ですから、土日の大阪・中之島センターでの研究会は土曜のみ、日曜は中止/延期、という主催者の方針を聞いて、ぼくとしては、慎重なのはよいが大事のとりすぎかな、という受け止め方でした。なにしろJR東海で予約した出張パックが「宿も列車の座席も指定で、変更不能」という設定なので、面倒だな、というのが正直なところ。
で、金曜午後のぼくの返信は【 28 Sep 2018 15:41 】
「拝復、心配してくださって、ありがとう。日曜なので、美術館、図書館巡りも良いかな、と考えています。いま、出版社にて再校の交渉に向かう車中です。秋晴れの素晴らしい午後です。」
といった呑気なものでした。
これには主催者も慌てたようで【 28 Sep 2018 15:49 】
「‥‥日曜日の昼間は暴風雨が懸念されます(美術館・図書館の閉館も含めて)。もし外出が厳しいということになれば、‥‥[これこれという代案も考えてくれて‥‥]明日はお気をつけていらしてください。」
さらには続伸で【 28 Sep 2018 18:31 】
「‥‥夕方の関西圏のニュース&天気予報を注視しています。JR西日本などは山陽新幹線を含め30日昼から1日にかけて運休の可能性を発表しました。(東海道新幹線はわかりませんが。)こちらのニュースによれば30日夕〜夜が大阪で最も暴風雨の強まる時間帯となり、鉄道・自動車を含め移動が困難になることが見込まれます。一案として「パックで予約されている分は30日朝の宿泊までとし、帰りの新幹線のチケットは事実上”捨てて”もらう」→「あらためて30日朝の新幹線の「新大阪→東京」の片道チケットを予約してもらう(片道分の旅費は主催校でなんとかできないか聞きます)」ことを提言します。」
とまで提案してくれました。
この段階では、西日本ではそうでしょうが、東海道新幹線は大丈夫。なにしろ九州に上陸して四国・中国と経由するうちに台風の威力は弱まるのだから、と公言さえしていました。この間の自然災害について、東京ないし南関東の被害は比較的少なく、徳川家康の江戸立地センスのすばらしさ、なんてことさえ東京の親しい仲では口にしていました!
実際、土曜に大阪について、雨ではあったけれど、とくに風がどうとかいうわけでもなく、午後の研究会は時間とともに討論も充実しました。「礫岩のような国家」をどう見るか、から「近世ヨーロッパ」をどう見るか、さらに今一度、「ウェストファリア体制を再考する」とかいう問題設定から一歩先へ進んで、
・主権概念の生成プロセスにおける類似用語の併存・重なり;
・主権者の家産領や、特権的な社団の編成を越えて「国家/主権国家っていったい何なんだ」という問題への回帰 -
という所まで確認できました。神聖ローマ帝国(Reich)および皇帝(Kaiser)、ドイツ王、ローマ王のなんとも絶妙な用語法も!
5月27日の早稲田における歴史学研究会大会、合同部会「主権国家 再考」およびその特別号での刊行(晩秋)が、おそらく西洋史研究および世界史研究にとってひとつの画期になりそうな予感も共有して、とても良かったのですが、それだけに2日目が先に延期というのが残念至極。
遠方から来て夜の会食後に大阪に泊まるのはぼく一人(他はみな今晩中に帰途へ)、と分かり、さんざ脅かされ、帰宿して、日曜午前は、新大阪発11:40 → 東京着14:13(のぞみ16号)が最終、という報道とJR新幹線サイトも確認しました。そのあと、書いたのは【 29 Sep 2018 23:14 】
「いろいろとありがとう。‥‥テレビおよびインターネット情報で、午前中の新大阪発上りは大丈夫ということで、早めに帰宅します。今日の研究会は、佳境に入って時間切れというのがもったいなかったね。」
という具合に呑気でした。朝食もゆったり摂って、宿は交通至便なところなので、JRを乗り継いで新大阪に11時前に着けば楽々‥‥と。
2018年1月30日火曜日
2012年6月16日土曜日
雨にけぶる超高層
大雨の災害に見舞われている地域の皆さんには、悠長な話で申し訳ありません。
この近隣では、雨天は景観を変えて、好天なら見える超高層の建物を覆い隠してしまいます。今日のような天気だと、スカイツリーは何キロも先なので当然のように白い雲に覆われて、全く見えません。しかしかなり遠方の橋や構築物は、低い位置にあるかぎり見える。
雨雲の高さが問題で、このオフィスから約500メートル離れている超高層マンションは上層部が見えません。10階で高さ約30メートルと概算すると、約33階以上≒約100メートル以上の部屋では、きっと窓外が真っ白で、なにも見えないのでしょう。じつはオフィスビルも含めると、100メートル以上の建物は全部で6棟見えるはずで、見えかた、すなわち雨雲の模様にムラがあることもこの写真から分かります。
そもそもカラー写真なのに色彩が乏しくて、産業革命期の煤煙を示す歴史写真のごとき雰囲気です。
この近隣では、雨天は景観を変えて、好天なら見える超高層の建物を覆い隠してしまいます。今日のような天気だと、スカイツリーは何キロも先なので当然のように白い雲に覆われて、全く見えません。しかしかなり遠方の橋や構築物は、低い位置にあるかぎり見える。
雨雲の高さが問題で、このオフィスから約500メートル離れている超高層マンションは上層部が見えません。10階で高さ約30メートルと概算すると、約33階以上≒約100メートル以上の部屋では、きっと窓外が真っ白で、なにも見えないのでしょう。じつはオフィスビルも含めると、100メートル以上の建物は全部で6棟見えるはずで、見えかた、すなわち雨雲の模様にムラがあることもこの写真から分かります。
そもそもカラー写真なのに色彩が乏しくて、産業革命期の煤煙を示す歴史写真のごとき雰囲気です。
2010年8月10日火曜日
その1:Essex 探訪
寒い8月に絶望しそうになっていたら、日曜はようやく日が差して、世界が明るくなりました。今日(月)は快晴。みんなが楽しげ。
その日曜は、エセクス州探訪の日。4つあるJames のお宅のうち、ご自慢の Fingringhoe邸に訪ねるのは何度目かですが、妻を連れて行くのは初めてなので、前から楽しみにしていました。ガタゴト列車を Ely と Ipswich で計2度乗り換えて、コルチェスタ駅に12.01に到着。すぐにご長男、乗馬の雄姿を見に riding school に直行しました。
Fingringhoe 村の邸宅は十二分に広く、いかにも4歳と3歳の男の子が育つにふさわしい家。なにしろ向こうの川原敷きまで届こうかという敷地に Mummyの納屋、Wの畑、Rの小屋、と作って【Daddy のは無し - 書斎とキチンがあって、そもそも全体を仕切る責任は彼にあるわけだから】、生意気ざかりの4歳児に言わせれば、'natural' をキーワードに子育て中。
ついでに1月15日の本郷の研究会にいらした皆さんにはご覧に入れた、今は昔の写真も並べて、経年変化を見てもらいましょうか。
その日曜は、エセクス州探訪の日。4つあるJames のお宅のうち、ご自慢の Fingringhoe邸に訪ねるのは何度目かですが、妻を連れて行くのは初めてなので、前から楽しみにしていました。ガタゴト列車を Ely と Ipswich で計2度乗り換えて、コルチェスタ駅に12.01に到着。すぐにご長男、乗馬の雄姿を見に riding school に直行しました。
Fingringhoe 村の邸宅は十二分に広く、いかにも4歳と3歳の男の子が育つにふさわしい家。なにしろ向こうの川原敷きまで届こうかという敷地に Mummyの納屋、Wの畑、Rの小屋、と作って【Daddy のは無し - 書斎とキチンがあって、そもそも全体を仕切る責任は彼にあるわけだから】、生意気ざかりの4歳児に言わせれば、'natural' をキーワードに子育て中。
ついでに1月15日の本郷の研究会にいらした皆さんにはご覧に入れた、今は昔の写真も並べて、経年変化を見てもらいましょうか。

2010年8月6日金曜日
いまはもう秋‥‥
1日の記事で「‥‥ケインブリッジは21度といった感じ(かわいそうに、Scotland では19度?)」などと書いた呪いか、今日はケインブリッジもたったの18度。これでは、着るものがない‥‥。
学寮のランチ時の雑談では、部屋ではオーバーを着てるとか、暖房を入れてるとか、いう人(東アジア人および老人)もいるかと思うと、断然半袖の人も少なくない(西洋人限定)。なんなんだ?
暑さは7月の1・2週間ばかりで、もうケインブリッジの夏は終わりなのか? 今週は毎日 scattered rain & a bit of sunshine、確実に秋の気配。 そういえば日本では「立秋」ですね。

写真は、勉強家および WiFi 利用者のよく知る、ロンドンのある昼食所。
学寮のランチ時の雑談では、部屋ではオーバーを着てるとか、暖房を入れてるとか、いう人(東アジア人および老人)もいるかと思うと、断然半袖の人も少なくない(西洋人限定)。なんなんだ?
暑さは7月の1・2週間ばかりで、もうケインブリッジの夏は終わりなのか? 今週は毎日 scattered rain & a bit of sunshine、確実に秋の気配。 そういえば日本では「立秋」ですね。
写真は、勉強家および WiFi 利用者のよく知る、ロンドンのある昼食所。
2010年8月2日月曜日
country house
盛夏の日本の皆さまには申し訳ありませんが、このところ England は最高気温せいぜい23度。ロンドンが23度だと、ケインブリッジは21度といった感じ(かわいそうに、Scotland では19度未満?)。
今日は曇天ながら Julian の Sunday lunch に招かれて、ケインブリッジの南西、Cockayne 村の17世紀の農家へ。
同時に むかしUCLでお会いして以来の Kathleen Burk 夫妻が招かれていて、15年ぶりにお話ししました。美味しい料理の後に庭でコーヒー。

夕刻には雨がぱらつく天気でしたが、カンスタブルに負けない絵になったかな。
「300年以上前の壁も柱も傾いている家の修繕に、どれだけ手間がかかるか」、「この広い庭の手入れがたいへんでね‥‥」とかいった会話は、たいていの日本の大学教授には縁がない。手間をかけるのが楽しいんだ‥‥。イースタ休みも、夏休みも家・庭いじり(+勉強)のためにある、とは恐れ入ります。
カリフォーニアをよく知るキャスリンによれば、
Sunday lunch is an English institution which Americans don't have. And I like it.
もう一つ、日本では許されない、ワインをそれなりに飲んだ後の運転。これがないと Sunday lunch ばかりか、こうした country house を購入して(擬似ジェントルマンのように)ときおり行き来する優雅な生活自体が、成り立ちません。‥‥そのための濃いコーヒー。
今日は曇天ながら Julian の Sunday lunch に招かれて、ケインブリッジの南西、Cockayne 村の17世紀の農家へ。
同時に むかしUCLでお会いして以来の Kathleen Burk 夫妻が招かれていて、15年ぶりにお話ししました。美味しい料理の後に庭でコーヒー。
夕刻には雨がぱらつく天気でしたが、カンスタブルに負けない絵になったかな。
「300年以上前の壁も柱も傾いている家の修繕に、どれだけ手間がかかるか」、「この広い庭の手入れがたいへんでね‥‥」とかいった会話は、たいていの日本の大学教授には縁がない。手間をかけるのが楽しいんだ‥‥。イースタ休みも、夏休みも家・庭いじり(+勉強)のためにある、とは恐れ入ります。
カリフォーニアをよく知るキャスリンによれば、
Sunday lunch is an English institution which Americans don't have. And I like it.
もう一つ、日本では許されない、ワインをそれなりに飲んだ後の運転。これがないと Sunday lunch ばかりか、こうした country house を購入して(擬似ジェントルマンのように)ときおり行き来する優雅な生活自体が、成り立ちません。‥‥そのための濃いコーヒー。
2010年7月28日水曜日
2010年6月2日水曜日
兎、うさぎ、何みてはねる
5月末~6月初めというのに、寒い日がつづきます。5月22~24日あたりに初夏らしい日射しで、こちらが長袖でいるのが恥ずかしくなるような気分でいましたから、その後、ふたたび cloudy with showers, and breezy で16度~18度、といった日がつづくとこたえます。
そもそもこちらの見通しが甘く、毛のセーターを持ってこなかった。コートも薄いパーカーで、とにかく夏向きの衣装を重ね着することによって凌ぐ、という方針。それがあまりつづくと、頭が痛くなったり、お腹にこたえたり。これではあんまりなので、ついに5月31日に M&S にて春物?のセーターを買いました。品揃いが悪くて、とくに気に入るほどではなかったけれど、濃紺で19.50ポンド。【これだって、ヨーカ堂だったらもうすこし別のデザインがあって、季節はずれだから20~30%引き、もしや半値でさらにキャッシュバックが加わるかもしれない‥‥】
とはいえ、さすが雨の日も、たいてい夕刻は雨が上がって(dry!)、明るい西空に向かって行くと‥‥

Clare Hall から西は、30年前は畑しかなかったような気がしますが、今では住宅と畑をぬって数理科学部(駒場の数理科学研究科をもっと格好よくして Newton Institute とか名づけてる)。さらに西に行くと Cavendish Laboratory のナノ研究所とか「物作り学部」! とか、まるで発展途上の大学のよう。
左右の畑や野原で、また研究所の敷地内で、なにやらアチコチに動くもの。リスではなし、ネズミでもなし。どうみても兎です。囲いのなかで養殖? でも、飛び越えたり、あるいはネットの下にトンネルを掘って逃げることは十分できる。

この疑問は先日のモリル先生に尋ねて、しっかり答えをいただきました。
「彼らは wild rabbits で夕刻になると一杯出てくる。私たちが子どものころ兎媒介の病気が流行り、薬殺したことがある。農村地帯のどこでも兎の屍が重なって、見るに堪えなかった。その後、ふたたび野生の兎が増えて、ケインブリッジの西でも東でもいたるところにいる。今でも私たちの世代は、昔の屍のことが忘れられなくて、兎は食べたくない。」
というわけで、繁殖力の象徴のような wild rabbits ですが、取る人もあまりなく、囲い地でも解放地でも一杯いるわけでした(30年前には気づかなかった)。
で、写真を撮ろうにも、どこかでしっかり三脚を構えて30分も待機すればよいものが撮れるのでしょうが、そこまで暇ではない。目の前に何十羽もいても、動きが敏速でそれぞれ別方向に動くし、「二兎を追うもの、一兎をもえず」。
結局、高画質である程度の広がりの絵を撮って、あとでトリミングをしつつ、結果的に望遠でズームしたような効果をねらうことになります。この絵のなかに草に紛れるように10羽の兎が見えるはずです。光も焦点も不足して、ぼんやりしますが、そこはご容赦。【写真をクリックすると拡大します】
正しい日本語では兎は「匹」ではなく「羽」で数えるんですよね。こういう約束事が多すぎる言語ではないか。外国人だったら、そう思うでしょう。
そもそもこちらの見通しが甘く、毛のセーターを持ってこなかった。コートも薄いパーカーで、とにかく夏向きの衣装を重ね着することによって凌ぐ、という方針。それがあまりつづくと、頭が痛くなったり、お腹にこたえたり。これではあんまりなので、ついに5月31日に M&S にて春物?のセーターを買いました。品揃いが悪くて、とくに気に入るほどではなかったけれど、濃紺で19.50ポンド。【これだって、ヨーカ堂だったらもうすこし別のデザインがあって、季節はずれだから20~30%引き、もしや半値でさらにキャッシュバックが加わるかもしれない‥‥】
とはいえ、さすが雨の日も、たいてい夕刻は雨が上がって(dry!)、明るい西空に向かって行くと‥‥
Clare Hall から西は、30年前は畑しかなかったような気がしますが、今では住宅と畑をぬって数理科学部(駒場の数理科学研究科をもっと格好よくして Newton Institute とか名づけてる)。さらに西に行くと Cavendish Laboratory のナノ研究所とか「物作り学部」! とか、まるで発展途上の大学のよう。
左右の畑や野原で、また研究所の敷地内で、なにやらアチコチに動くもの。リスではなし、ネズミでもなし。どうみても兎です。囲いのなかで養殖? でも、飛び越えたり、あるいはネットの下にトンネルを掘って逃げることは十分できる。
この疑問は先日のモリル先生に尋ねて、しっかり答えをいただきました。
「彼らは wild rabbits で夕刻になると一杯出てくる。私たちが子どものころ兎媒介の病気が流行り、薬殺したことがある。農村地帯のどこでも兎の屍が重なって、見るに堪えなかった。その後、ふたたび野生の兎が増えて、ケインブリッジの西でも東でもいたるところにいる。今でも私たちの世代は、昔の屍のことが忘れられなくて、兎は食べたくない。」
というわけで、繁殖力の象徴のような wild rabbits ですが、取る人もあまりなく、囲い地でも解放地でも一杯いるわけでした(30年前には気づかなかった)。
で、写真を撮ろうにも、どこかでしっかり三脚を構えて30分も待機すればよいものが撮れるのでしょうが、そこまで暇ではない。目の前に何十羽もいても、動きが敏速でそれぞれ別方向に動くし、「二兎を追うもの、一兎をもえず」。
結局、高画質である程度の広がりの絵を撮って、あとでトリミングをしつつ、結果的に望遠でズームしたような効果をねらうことになります。この絵のなかに草に紛れるように10羽の兎が見えるはずです。光も焦点も不足して、ぼんやりしますが、そこはご容赦。【写真をクリックすると拡大します】
正しい日本語では兎は「匹」ではなく「羽」で数えるんですよね。こういう約束事が多すぎる言語ではないか。外国人だったら、そう思うでしょう。
2010年5月24日月曜日
Grantchester
今日(日)は Whitsunday. 28度という予報のとおり、五月晴れ、日本の5月下旬に負けない暑い日となりました。

自転車で Newnham Croft から川沿いの牧草地に入り、南へ。つまりケム川の川上です。30年前には一家4人で同じコースを自転車で行きましたが、川沿いのたよりない小径は、枯れ草や枯れ枝やトゲのたぐいで一杯で、ついにぼくの自転車のタイヤがパンクし、惨めな気持でとぼとぼ押して帰りました。 今回は西側にきれいに自転車道が舗装されて快適な行程。というより、かなりの人出。そしてみなさん、かなり大胆な露出的装束。今から2カ月ほどが、midsummer なのですから。
↑ 写真は、牛と人々のあそぶ牧草地よりケム川を望みます。カヌーがかろうじて見えるでしょうか。【クリックすると拡大します。】

グランチェスタ村の The Orchard は、20世紀の初め、Bloomsbury group ならぬ(ほとんど人的に重なりますが)Grantchester group の文人の憩う場でした。草光さんの「マイナーポエッツ」(短調の詩人たち)から、J.M. ケインズ、ヴァージニア・ウルフ、E.M. フォースタ‥‥。
あの気むずかしげなヴィトゲンシュタイン先生とラッセル先生が一緒に裸で川遊びをしたとか‥‥。映画「モーリス」の世界。
短い夏を楽しむイギリス人は平気で陽光のもと昼食を摂りますが、ぼくたちは暑さも紫外線もかなわないので、室内で食べました。こんなぐあい。↓
自転車で Newnham Croft から川沿いの牧草地に入り、南へ。つまりケム川の川上です。30年前には一家4人で同じコースを自転車で行きましたが、川沿いのたよりない小径は、枯れ草や枯れ枝やトゲのたぐいで一杯で、ついにぼくの自転車のタイヤがパンクし、惨めな気持でとぼとぼ押して帰りました。 今回は西側にきれいに自転車道が舗装されて快適な行程。というより、かなりの人出。そしてみなさん、かなり大胆な露出的装束。今から2カ月ほどが、midsummer なのですから。
↑ 写真は、牛と人々のあそぶ牧草地よりケム川を望みます。カヌーがかろうじて見えるでしょうか。【クリックすると拡大します。】
グランチェスタ村の The Orchard は、20世紀の初め、Bloomsbury group ならぬ(ほとんど人的に重なりますが)Grantchester group の文人の憩う場でした。草光さんの「マイナーポエッツ」(短調の詩人たち)から、J.M. ケインズ、ヴァージニア・ウルフ、E.M. フォースタ‥‥。
あの気むずかしげなヴィトゲンシュタイン先生とラッセル先生が一緒に裸で川遊びをしたとか‥‥。映画「モーリス」の世界。
短い夏を楽しむイギリス人は平気で陽光のもと昼食を摂りますが、ぼくたちは暑さも紫外線もかなわないので、室内で食べました。こんなぐあい。↓
2010年5月18日火曜日
日時計
どうしてイギリス人はこんなに日時計が好きなんだろう、と前々から不思議でした。
Dry とは(関東地方の冬のような)乾燥でなく、「雨が降っていない状態」つまり曇りのことを言い、毎日毎日、天気予報は sunny spells with scattered showers と言ってれば当たる、という国です。オクスブリッジのすべての学寮に備わっている日時計は、なんの役にたつのでしょう。
今日、わが Clare Hall の煉瓦の家と芝生とちょっとした木や花が連なる、こぢんまりしたgarden を散策して、こんな庭がわが集合住宅にもあると最高! と思った最後に、blackbird (日本語でクロウタドリって言うんですね!) に導かれて日時計に遭遇。
写真のとおり5時前を指していますが、いまは夏時間なので、じつは6時前。めずらしく快晴の im wunderschoenen Monat Mai, 花ひらき鳥うたう中で、小さき日時計にはこういう碑が刻んでありました。S方角の ∴ から文章が始まります。時計の反対回りに読んでください。
Let others tell of storms and showers ・
I'll only count your sunny hours
ふふふ。
日時計の真実を淡々と語りつつ、昔あるパブで見つけた
'A friend in need is a bloody nuisance'
といった正直な人間心理も、上品に伝える。How witty!
日時計って、時を伝えるためじゃなくて、一人歩くひと、語りあう二人に、真実=心理を突きつけて局面を展開させるための碑文として、設けられていたのか。【かつては必ずのようにラテン語、今ではたいてい英語です。こちらはラテン語リテラシの問題でしょうね。】 つまり一人か二人で歩くのが好きなイギリス人には、晴れでも曇りでも、日時計の碑文が memento として必要なのでした。
2010年5月17日月曜日
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