2019年6月25日火曜日
ゼラニウムとペラルゴニウム
ベランダで気になるもう一つの花がこれで、どうも日本語のサイトでは分かりにくい。
RHS 【Royal Horticultural Society[英国園芸学会], なんとこちらのほうが Royal Historical Society より創立は早く、したがって後者は略称を R. Hist. S. としなければならないのでした!】のサイトで探してみると、
→ https://www.rhsplants.co.uk/search/_/search.pelargonium/sort.0/
このとおり、下と同じく Pelargonium (ペラゴーニアム)なのでした。なんとヴァラエティのある花なんだ! 南アフリカ原産。
【学会サイトなのに通販価格も明記されているのが、イギリス的です!】
きれいで育てやすい5弁の花としての共通性もあり、英語の世界でもいわゆるゼラニウム(ジレイニアム)
→ https://www.rhsplants.co.uk/search/_/search.geranium/sort.0/
とよく混同されているとのことで、素人向けに ↓ のような区別がしたためられています。
→ https://www.rhs.org.uk/plants/popular/pelargonium
Did you know? Common names can cause mix ups. ‘Geranium’ is the name most people use when talking about Pelargonium. But Geranium is actually a different plant genus, so to help avoid confusion some refer to Geranium as ‘hardy geraniums’, and Pelargonium as ‘tender geraniums’.
さらに詳しい説明は ↓ 別の団体サイトですが、
→ https://geraniumguide.com/difference-between-geraniums-and-pelargoniums/
なんと18世紀、リンネの命名からまもなく論議は始まったとのこと!
2019年6月8日土曜日
可憐な花
ベランダが南と北にありますが、わが書斎は北向きで、夏の朝以外は日の当たらないベランダ(ポーチ)で、手入れらしいことをしなかった鉢の植物から、細い茎がまっすぐ伸びて、先にツボミを付け、開花しました、いくつも。 可憐なピンクの花房が日に日に増えて、今は花房が10も。日持ちします。しらべると、geranium (フクロソウ)のうちの pelargonium(テンジクアオイ)属ということで、ふつう花屋さんで「ゼラニウム」と呼んでいる、あれですね。
何年も(十年以上も?)前に頂いた鉢を海外に出ている間にダメにしたのに、捨てずに水をやっていたら、快復して元気に花を咲かせるようになったわけです。目をかけて、ほんのちょっと土を耕し、枯葉やゴミを取り除き、といったことをしていると、植物も意気を感じて(炭酸ガスを吸収して)生育するのだろうか。人と同じかな?
2011年7月9日土曜日
Strawberry Hill
ちょっとは明るい記事ということで、IHRからのご案内です↓↓
ロイヤルホロウェイの皆さんは、学校の催しでさんざ連れていかれた所ではないかな。
Dear Friend
This summer we are organising a group outing for Friends of the IHR to Strawberry Hill House on Wednesday 10 August.
As you may know, Strawberry Hill House was created by Horace Walpole in the 18th century, and is known for its beautiful gothic architecture. The house has been recently restored and has only just been opened to the public. For more details on the house and its gardens please have a look at their website: www.strawberryhillhouse.org.uk
The tour, which will be exclusively for the Friends, will begin at 11.30am and lasts for approximately one and a half hours. The cost will be £15.00 per person.
After the tour it will be possible to buy a light lunch in the cafe at the house. If you would like to do this, please let us know and we will book a table for our group.
We are limited to 20 places so please contact us if you would like to book a place.
Strawberry Hill House is in Twickenham, for more information on how to get there please following this link: http://www.strawberryhillhouse.org.uk/travel-info.php
ロイヤルホロウェイの皆さんは、学校の催しでさんざ連れていかれた所ではないかな。
Dear Friend
This summer we are organising a group outing for Friends of the IHR to Strawberry Hill House on Wednesday 10 August.
As you may know, Strawberry Hill House was created by Horace Walpole in the 18th century, and is known for its beautiful gothic architecture. The house has been recently restored and has only just been opened to the public. For more details on the house and its gardens please have a look at their website: www.strawberryhillhouse.org.uk
The tour, which will be exclusively for the Friends, will begin at 11.30am and lasts for approximately one and a half hours. The cost will be £15.00 per person.
After the tour it will be possible to buy a light lunch in the cafe at the house. If you would like to do this, please let us know and we will book a table for our group.
We are limited to 20 places so please contact us if you would like to book a place.
Strawberry Hill House is in Twickenham, for more information on how to get there please following this link: http://www.strawberryhillhouse.org.uk/travel-info.php
2010年12月19日日曜日
Illuminated!
例年、クリスマスから新年にかけて医学部本館のイルミネーションが行われ、夜間に図書館脇から経済学部裏手を通過する者にとっての楽しみです。17日(金)の午前中に、医学部前でなにやってんだ‥‥と不審な男女グループを目撃しましたら、夜にはご覧のとおりとなりました。
新年の御用始めまで点灯するから、2011 なんですね。
昨冬の様子は、こちらです↓
http://kondohistorian.blogspot.com/2009/12/merry-christmas.html
2010年8月20日金曜日
Whig aristocracy その2
車でノーフォク州の農地のあいだを20分?ほど飛ばして、Holkham Hall へ。
・17世紀初めののコモンロー司法官にして「権利の請願」の起草者の一人 Sir Edward Coke (クック 1552~1634)の所領でしたが、

・18世紀初めに Thomas Coke, first earl of Leicester (1697~1759) が 7年間のgrand tour でイタリア美術に目ざめ、買ってきた美術品を効果的に展示するために建てたという豪邸 Holkham Hallです。
・このレスタ伯と次代の放蕩息子ゆえに破産するところ、これを防ぐべく、1776年に所領を相続して農業改良を推進した甥 Thomas William Coke of Norfolk (のちに first earl of Leicester of second creation (1754~1842))はというと、Arthur Young と ノリッジのRigby のお友だち。

こうした3者の関係は、常識でしたでしょうか?
Walpole家では破産しそうになると3代目が絵をエカチェリーナ女帝に売却して凌いだ。∴エルミタージュ宮にウォルポール収集のコレクションがめだつ。 ⇔ これにたいして、Coke家では破産の危機に対処すべく、3代目が農業改良に専心する‥‥。ブルームやグレイとともに選挙法改革にもとりくむ‥‥。
仕入れたばかりの知識を、本日リグビの坂下さんあいてに開陳してみたら、釈迦に説法でした。
ホゥカム邸のご当主レスタ伯はいささか商業的で、日曜の午後ともなれば、庭や経営ホテルはひとで一杯。外も中も写真 OK。外装は質実剛健に力強く、内装は豪華絢爛、そこらの美術館・18世紀図書館に負けない備品。
そもそもあなた、所領は約100平方キロ(約10キロ×10キロ)! 北海の海岸線まで拡がります。東京の山手線のなかより広いかも。馬か自転車を借りなきゃ、周りきれません。
・17世紀初めののコモンロー司法官にして「権利の請願」の起草者の一人 Sir Edward Coke (クック 1552~1634)の所領でしたが、
・18世紀初めに Thomas Coke, first earl of Leicester (1697~1759) が 7年間のgrand tour でイタリア美術に目ざめ、買ってきた美術品を効果的に展示するために建てたという豪邸 Holkham Hallです。
・このレスタ伯と次代の放蕩息子ゆえに破産するところ、これを防ぐべく、1776年に所領を相続して農業改良を推進した甥 Thomas William Coke of Norfolk (のちに first earl of Leicester of second creation (1754~1842))はというと、Arthur Young と ノリッジのRigby のお友だち。
こうした3者の関係は、常識でしたでしょうか?
Walpole家では破産しそうになると3代目が絵をエカチェリーナ女帝に売却して凌いだ。∴エルミタージュ宮にウォルポール収集のコレクションがめだつ。 ⇔ これにたいして、Coke家では破産の危機に対処すべく、3代目が農業改良に専心する‥‥。ブルームやグレイとともに選挙法改革にもとりくむ‥‥。
仕入れたばかりの知識を、本日リグビの坂下さんあいてに開陳してみたら、釈迦に説法でした。
ホゥカム邸のご当主レスタ伯はいささか商業的で、日曜の午後ともなれば、庭や経営ホテルはひとで一杯。外も中も写真 OK。外装は質実剛健に力強く、内装は豪華絢爛、そこらの美術館・18世紀図書館に負けない備品。
そもそもあなた、所領は約100平方キロ(約10キロ×10キロ)! 北海の海岸線まで拡がります。東京の山手線のなかより広いかも。馬か自転車を借りなきゃ、周りきれません。
Whig aristocracy その1
15日(V J day!)にノーフォク州の貴族の館2つを訪問したのですが、そのあとの付録もふくめて、印象は圧倒的です。あまり理性的でないブログとなりますが--
10.00に4人で剣橋発、一路北へ。Houghton Hall(ハウトンです!)は日曜のみ11.30に gardens (複数形です!) が開場。
まずはかつての kitchen garden に、期待せずに入りました。なんといっても首相ウォルポールの邸宅を見るのが目的ですから、18世紀前半でないものは、あまり‥‥
野菜や果物、花などを栽培した所を、その機能も生かしながら、生垣でいくつもに囲い分けて性格のちがう遊びの空間を造ったものです。ごく最近の火炎を噴く噴水(water flame)といった際物もありますが、全体として安らぎと発見のある、楽しい空間。それぞれ囲いの中はちがう小世界をなすので gardens なのですね。
厩舎のあとを改造したレストランで軽い昼食。
1.20より本館開場。日本的感覚とちがって、西向きに(夏のディナーで長い夕刻の日射しを活かすために)こうした country house は建てられています。上の写真では館の西面を撮っていますが、撮影者の背面=西方には長ぁく植林されていない帯状の緑地が延びています。

館内は、残念ながら撮影禁止。パラディオ様式、イタリア趣味、ディナー室の奥に cabinet room がありました。史上最初の閣議は、ウェストミンスタはホワイトホールではなく、ここで開かれたのだ、と自慢げに語られていますが、実はそれはヒイキの引き倒しですよ。Downing Street より前に Cock Pit と18世紀人が呼んでいた所でやっていました。 cf. List & Index Society: Cabinet Meetings をご覧じろ。
ウォルポールが権力政治だけに専心していたとまで思いこんでいたわけではありません。
それにしても(客を招いて見せる≒魅せるだけでなく泊める)空間のシンボリズムにまずは感銘しました。
運転手の M.に急かされて、次の Holkham Hall へ。
10.00に4人で剣橋発、一路北へ。Houghton Hall(ハウトンです!)は日曜のみ11.30に gardens (複数形です!) が開場。
まずはかつての kitchen garden に、期待せずに入りました。なんといっても首相ウォルポールの邸宅を見るのが目的ですから、18世紀前半でないものは、あまり‥‥
野菜や果物、花などを栽培した所を、その機能も生かしながら、生垣でいくつもに囲い分けて性格のちがう遊びの空間を造ったものです。ごく最近の火炎を噴く噴水(water flame)といった際物もありますが、全体として安らぎと発見のある、楽しい空間。それぞれ囲いの中はちがう小世界をなすので gardens なのですね。
厩舎のあとを改造したレストランで軽い昼食。
1.20より本館開場。日本的感覚とちがって、西向きに(夏のディナーで長い夕刻の日射しを活かすために)こうした country house は建てられています。上の写真では館の西面を撮っていますが、撮影者の背面=西方には長ぁく植林されていない帯状の緑地が延びています。
館内は、残念ながら撮影禁止。パラディオ様式、イタリア趣味、ディナー室の奥に cabinet room がありました。史上最初の閣議は、ウェストミンスタはホワイトホールではなく、ここで開かれたのだ、と自慢げに語られていますが、実はそれはヒイキの引き倒しですよ。Downing Street より前に Cock Pit と18世紀人が呼んでいた所でやっていました。 cf. List & Index Society: Cabinet Meetings をご覧じろ。
ウォルポールが権力政治だけに専心していたとまで思いこんでいたわけではありません。
それにしても(客を招いて見せる≒魅せるだけでなく泊める)空間のシンボリズムにまずは感銘しました。
運転手の M.に急かされて、次の Holkham Hall へ。
2010年8月2日月曜日
country house
盛夏の日本の皆さまには申し訳ありませんが、このところ England は最高気温せいぜい23度。ロンドンが23度だと、ケインブリッジは21度といった感じ(かわいそうに、Scotland では19度未満?)。
今日は曇天ながら Julian の Sunday lunch に招かれて、ケインブリッジの南西、Cockayne 村の17世紀の農家へ。
同時に むかしUCLでお会いして以来の Kathleen Burk 夫妻が招かれていて、15年ぶりにお話ししました。美味しい料理の後に庭でコーヒー。

夕刻には雨がぱらつく天気でしたが、カンスタブルに負けない絵になったかな。
「300年以上前の壁も柱も傾いている家の修繕に、どれだけ手間がかかるか」、「この広い庭の手入れがたいへんでね‥‥」とかいった会話は、たいていの日本の大学教授には縁がない。手間をかけるのが楽しいんだ‥‥。イースタ休みも、夏休みも家・庭いじり(+勉強)のためにある、とは恐れ入ります。
カリフォーニアをよく知るキャスリンによれば、
Sunday lunch is an English institution which Americans don't have. And I like it.
もう一つ、日本では許されない、ワインをそれなりに飲んだ後の運転。これがないと Sunday lunch ばかりか、こうした country house を購入して(擬似ジェントルマンのように)ときおり行き来する優雅な生活自体が、成り立ちません。‥‥そのための濃いコーヒー。
今日は曇天ながら Julian の Sunday lunch に招かれて、ケインブリッジの南西、Cockayne 村の17世紀の農家へ。
同時に むかしUCLでお会いして以来の Kathleen Burk 夫妻が招かれていて、15年ぶりにお話ししました。美味しい料理の後に庭でコーヒー。
夕刻には雨がぱらつく天気でしたが、カンスタブルに負けない絵になったかな。
「300年以上前の壁も柱も傾いている家の修繕に、どれだけ手間がかかるか」、「この広い庭の手入れがたいへんでね‥‥」とかいった会話は、たいていの日本の大学教授には縁がない。手間をかけるのが楽しいんだ‥‥。イースタ休みも、夏休みも家・庭いじり(+勉強)のためにある、とは恐れ入ります。
カリフォーニアをよく知るキャスリンによれば、
Sunday lunch is an English institution which Americans don't have. And I like it.
もう一つ、日本では許されない、ワインをそれなりに飲んだ後の運転。これがないと Sunday lunch ばかりか、こうした country house を購入して(擬似ジェントルマンのように)ときおり行き来する優雅な生活自体が、成り立ちません。‥‥そのための濃いコーヒー。
2010年7月28日水曜日
2010年7月13日火曜日
National Gardens Scheme
11日(日)は、日本では参院選、グローバルにはFIFA world cup final(スペイン王国がカタルニアの力に依拠して、400年ほど前のオレンジ党ネーデルラントに意趣返しをした夜)といった人々の関心を集める出来事があったようです。ケインブリッジ近郊でローカルには National Gardens Scheme によって年に3度だけ開放される個人庭園をみる好機でした。なんと労働法の忍さんが借りている邸宅がその一つ Wild Rose Cottage ということで、斉藤さん、小峯さんと一緒に、Lode村を探訪することにしました。
ケインブリッジ市から東に車で20分ほど、16世紀、ヘンリ8世の修道院領払い下げの結果生まれた(rise of a gentry !)Anglesey Abbey という名(Abbey は invention!)の所領の近傍にある村 Lode. 写真のように静寂で、きっと豊かな中産階級の住む小さな村です。通過する車はなく、歩くのはわれわれ余所者 visitor ばかりなり。
開放された庭園の造りは各々さまざまで、ローマ風の folly を置くところあり、
また自然(wild)をテーマに、まるで手をかけてないように見えるよう、しっかり手入れしているところあり。Landscape gardening の長い18世紀をやってる者としては、もっときちんとリサーチした上で来るべきだったと後悔。
こちらの Wild Rose Cottage は奥が深くて、ぼうぼうの草に囲まれた池に向かって近隣のアーティストのオブジェがあるかと思えば、その視線の向こうには東屋(亭)がみえるではないか。東屋には椅子も茶器も揃っていて、「フィガロの結婚」の終幕の前提ともいうべき庭園!
ちなみに、National Gardens Scheme もまたチャリティ(公益団体)でしたよ、金澤さん!
2010年7月10日土曜日
暑い!
蒸し暑い東京から、「灼熱の」ロンドン、そしてケインブリッジに帰着いたしました。きょうは最高31度とのこと。
きのうの The City はこのとおり灼けていましたし(テムズ川は褐色です - 右から1/3くらい St Paul はご覧のとおり無事でした!)、Clare Hall の中庭の芝生はまるで日本のどこかの芝生みたいに熱で枯れかけています。Scorched と言うんですね。
飛行機は、7月の初めはこうなのでしょうか?空いていましたが、そのぶん寒いくらい。
ロンドン上空では高曇りのなかから、テムズ川、そして真下に Kew Gardens、右側に皆さんのよく使う地下鉄の駅、右上には TNA (PRO) がしっかり姿を現しました。これぞ窓際の楽しみです。
2010年6月16日水曜日
Blackbird singing in the dead of night . . . .
悠長にマンチェスタのことを書き続けようとしていたら、東京のさる事務方からお叱りのメール。15日午後(JST)までに提出すべき書式があったろう‥‥と。
そのとおり、でもファイルがHDに入ってるから大丈夫、とタカをくくっていたのが間違いのもと。

想定していたぴったりのdocファイルはHD内になく、関連PDFのほうはいざ開けようとしたらしっかりパスワードがかかっているではないか。しかもそのパスワードはぼくが設定したものではないので、想像力ではこじ開けられない! もう東京は宵の口で当局に尋ねることはできない‥‥。
火事場の念力で二つの対応策を考えつき(じつは直ちに思いついたのではないので、時差がある)、それぞれ頼りがいのある筋に緊急メールで依頼。答えが返ってくるまでには時間が必要なので、可能な部分について学寮の頼りがいのないプリンタで印刷。これがしかし、テキストも一太郎も印刷してくれないもので、まずはワードかPDFに変えてからUSBメディアをもってPC室に行く。3台のプリンタ(hp)もそれぞれ個性があって、美麗にはゆかない。読んで添削できればよし、と割り切って使うしかなし。
途中を省略して、どこかの学寮の May Ball の喧噪と花火をやり過ごし、ひたすら作業を進行しているうちに聞こえてきたのが クロウタドリの美声。
http://www.youtube.com/watch?v=CM--r-BTmEo ← こちらは未明の2羽の歌の応酬
http://www.youtube.com/watch?v=997RTKzc39c&feature=fvw ← こちらは昼間の歌う姿
(雀みたいなチュンチュンも聞こえますが、遠近で競って歌うやりとりを聞いてください。どちらもぼくのではなく public domain の作品です。)
時計をみると3.38.(日本時間11:38、まだ午前中だ!) 英国はまだ夜明けどころか‥‥とはいえ、窓外の空をみると白み始めているのでした。
Cambridge Pocket Diary 2009-2010 には毎週(日)の日の出・日没時刻が記してありますが、6月13日は Sun rises 4.38, sets 9.21 とある。つまり日の出ちょうど60分前に鳴き始めたわけです。しかも昼間の歌声よりずっと精力的で、テンポが速く、テクニックのかぎりを尽くしてるかのよう。起き抜けにテリトリをしっかり確定しておかねばならないのでしょう。
ビートルズの Blackbird singing in the dead of night . . . . は「詩的許容」というか、ありえないことを歌っておもしろがってる歌、などと勝手に思っていましたが、ほんとに眠れない夜の未明に啼き始めて、あぁもう夜明けも近い、と思わせるのですね。
というわけで、日本時間の正午前に、濃密な内容の4ページのPDFを作成して送付することができました。関係者の方々、そして Clare Hall のクロウタドリくん、ありがとうございます。
【ところで、日本では時刻を12:00と表記し、イギリスでは12.00と表記する慣行です。どこから違ってきたんでしょう?】

未明・早朝から美麗になき、夕方は名ごり惜しげに andante cantabile で啼きくらす毎日。昼間はどうしてるのかというと、写真のように木もれ日の芝のなかで餌をあさり、あるいは葉桜のなかでサクランボを食ったり、ひたすら栄養補給しているのでした。あの小さな身体で、すばらしいテノールの声量で歌いつづけるには、当然、たいへんなカロリーが必要なのでしょう。
Blackbird はヨーロッパ全域からインド・オーストラリアに生息し、極東にはいないとのこと。残念です。この小鳥がいると、人は穏やかになります。
そのとおり、でもファイルがHDに入ってるから大丈夫、とタカをくくっていたのが間違いのもと。
想定していたぴったりのdocファイルはHD内になく、関連PDFのほうはいざ開けようとしたらしっかりパスワードがかかっているではないか。しかもそのパスワードはぼくが設定したものではないので、想像力ではこじ開けられない! もう東京は宵の口で当局に尋ねることはできない‥‥。
火事場の念力で二つの対応策を考えつき(じつは直ちに思いついたのではないので、時差がある)、それぞれ頼りがいのある筋に緊急メールで依頼。答えが返ってくるまでには時間が必要なので、可能な部分について学寮の頼りがいのないプリンタで印刷。これがしかし、テキストも一太郎も印刷してくれないもので、まずはワードかPDFに変えてからUSBメディアをもってPC室に行く。3台のプリンタ(hp)もそれぞれ個性があって、美麗にはゆかない。読んで添削できればよし、と割り切って使うしかなし。
途中を省略して、どこかの学寮の May Ball の喧噪と花火をやり過ごし、ひたすら作業を進行しているうちに聞こえてきたのが クロウタドリの美声。
http://www.youtube.com/watch?v=CM--r-BTmEo ← こちらは未明の2羽の歌の応酬
http://www.youtube.com/watch?v=997RTKzc39c&feature=fvw ← こちらは昼間の歌う姿
(雀みたいなチュンチュンも聞こえますが、遠近で競って歌うやりとりを聞いてください。どちらもぼくのではなく public domain の作品です。)
時計をみると3.38.(日本時間11:38、まだ午前中だ!) 英国はまだ夜明けどころか‥‥とはいえ、窓外の空をみると白み始めているのでした。
Cambridge Pocket Diary 2009-2010 には毎週(日)の日の出・日没時刻が記してありますが、6月13日は Sun rises 4.38, sets 9.21 とある。つまり日の出ちょうど60分前に鳴き始めたわけです。しかも昼間の歌声よりずっと精力的で、テンポが速く、テクニックのかぎりを尽くしてるかのよう。起き抜けにテリトリをしっかり確定しておかねばならないのでしょう。
ビートルズの Blackbird singing in the dead of night . . . . は「詩的許容」というか、ありえないことを歌っておもしろがってる歌、などと勝手に思っていましたが、ほんとに眠れない夜の未明に啼き始めて、あぁもう夜明けも近い、と思わせるのですね。
というわけで、日本時間の正午前に、濃密な内容の4ページのPDFを作成して送付することができました。関係者の方々、そして Clare Hall のクロウタドリくん、ありがとうございます。
【ところで、日本では時刻を12:00と表記し、イギリスでは12.00と表記する慣行です。どこから違ってきたんでしょう?】
未明・早朝から美麗になき、夕方は名ごり惜しげに andante cantabile で啼きくらす毎日。昼間はどうしてるのかというと、写真のように木もれ日の芝のなかで餌をあさり、あるいは葉桜のなかでサクランボを食ったり、ひたすら栄養補給しているのでした。あの小さな身体で、すばらしいテノールの声量で歌いつづけるには、当然、たいへんなカロリーが必要なのでしょう。
Blackbird はヨーロッパ全域からインド・オーストラリアに生息し、極東にはいないとのこと。残念です。この小鳥がいると、人は穏やかになります。
2010年5月24日月曜日
Grantchester
今日(日)は Whitsunday. 28度という予報のとおり、五月晴れ、日本の5月下旬に負けない暑い日となりました。

自転車で Newnham Croft から川沿いの牧草地に入り、南へ。つまりケム川の川上です。30年前には一家4人で同じコースを自転車で行きましたが、川沿いのたよりない小径は、枯れ草や枯れ枝やトゲのたぐいで一杯で、ついにぼくの自転車のタイヤがパンクし、惨めな気持でとぼとぼ押して帰りました。 今回は西側にきれいに自転車道が舗装されて快適な行程。というより、かなりの人出。そしてみなさん、かなり大胆な露出的装束。今から2カ月ほどが、midsummer なのですから。
↑ 写真は、牛と人々のあそぶ牧草地よりケム川を望みます。カヌーがかろうじて見えるでしょうか。【クリックすると拡大します。】

グランチェスタ村の The Orchard は、20世紀の初め、Bloomsbury group ならぬ(ほとんど人的に重なりますが)Grantchester group の文人の憩う場でした。草光さんの「マイナーポエッツ」(短調の詩人たち)から、J.M. ケインズ、ヴァージニア・ウルフ、E.M. フォースタ‥‥。
あの気むずかしげなヴィトゲンシュタイン先生とラッセル先生が一緒に裸で川遊びをしたとか‥‥。映画「モーリス」の世界。
短い夏を楽しむイギリス人は平気で陽光のもと昼食を摂りますが、ぼくたちは暑さも紫外線もかなわないので、室内で食べました。こんなぐあい。↓
自転車で Newnham Croft から川沿いの牧草地に入り、南へ。つまりケム川の川上です。30年前には一家4人で同じコースを自転車で行きましたが、川沿いのたよりない小径は、枯れ草や枯れ枝やトゲのたぐいで一杯で、ついにぼくの自転車のタイヤがパンクし、惨めな気持でとぼとぼ押して帰りました。 今回は西側にきれいに自転車道が舗装されて快適な行程。というより、かなりの人出。そしてみなさん、かなり大胆な露出的装束。今から2カ月ほどが、midsummer なのですから。
↑ 写真は、牛と人々のあそぶ牧草地よりケム川を望みます。カヌーがかろうじて見えるでしょうか。【クリックすると拡大します。】
グランチェスタ村の The Orchard は、20世紀の初め、Bloomsbury group ならぬ(ほとんど人的に重なりますが)Grantchester group の文人の憩う場でした。草光さんの「マイナーポエッツ」(短調の詩人たち)から、J.M. ケインズ、ヴァージニア・ウルフ、E.M. フォースタ‥‥。
あの気むずかしげなヴィトゲンシュタイン先生とラッセル先生が一緒に裸で川遊びをしたとか‥‥。映画「モーリス」の世界。
短い夏を楽しむイギリス人は平気で陽光のもと昼食を摂りますが、ぼくたちは暑さも紫外線もかなわないので、室内で食べました。こんなぐあい。↓
2010年5月18日火曜日
日時計
どうしてイギリス人はこんなに日時計が好きなんだろう、と前々から不思議でした。
Dry とは(関東地方の冬のような)乾燥でなく、「雨が降っていない状態」つまり曇りのことを言い、毎日毎日、天気予報は sunny spells with scattered showers と言ってれば当たる、という国です。オクスブリッジのすべての学寮に備わっている日時計は、なんの役にたつのでしょう。
今日、わが Clare Hall の煉瓦の家と芝生とちょっとした木や花が連なる、こぢんまりしたgarden を散策して、こんな庭がわが集合住宅にもあると最高! と思った最後に、blackbird (日本語でクロウタドリって言うんですね!) に導かれて日時計に遭遇。
写真のとおり5時前を指していますが、いまは夏時間なので、じつは6時前。めずらしく快晴の im wunderschoenen Monat Mai, 花ひらき鳥うたう中で、小さき日時計にはこういう碑が刻んでありました。S方角の ∴ から文章が始まります。時計の反対回りに読んでください。
Let others tell of storms and showers ・
I'll only count your sunny hours
ふふふ。
日時計の真実を淡々と語りつつ、昔あるパブで見つけた
'A friend in need is a bloody nuisance'
といった正直な人間心理も、上品に伝える。How witty!
日時計って、時を伝えるためじゃなくて、一人歩くひと、語りあう二人に、真実=心理を突きつけて局面を展開させるための碑文として、設けられていたのか。【かつては必ずのようにラテン語、今ではたいてい英語です。こちらはラテン語リテラシの問題でしょうね。】 つまり一人か二人で歩くのが好きなイギリス人には、晴れでも曇りでも、日時計の碑文が memento として必要なのでした。
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