2017年3月22日水曜日

熊楠と孫文

 和歌山に来たら和歌浦にゆかずんばあらず、と雨のなか、皆さまのご協力をえて行って参りました。
近世につくられた歌枕としての「わかの浦」、玉津島神社の和合の松、とかいったことも興味深いけれど
個人的には、話に聞いた南方熊楠と孫文が再会して遊んだ地、というのが印象的。
「世界一統」というコスモポリタンなフレーズ(→ お酒)が、ここから生まれた、と聞くと、なおさら。
 このあと、夏目漱石も同じ所に来たのだとか。
 熊楠と漱石は同じ1867年生まれ、全然ちがうタイプですが、ロンドンでもニアミスし、和歌浦でもニアミス。漱石は早く死に、熊楠は明治の人としては古稀をこえて生き、昭和天皇にご進講などしたんですね。和歌山駅の前にミナカタ・ビルというのがありました。

2017年3月20日月曜日

和歌山にて


 生まれて初めて和歌山大学に参りました。
 ジャコバンだの共和主義だの P. Serna の提起をどう受けとめるかだの、議論したあとに
バスのなかで写真のような和歌山弁と遭遇して、フランス革命中のグレゴワール師のような気持になりました!
 美味しいものを食べて、ゆったりした空間に生活して、ジャコバン独裁なんて愚かしい、という気分になりますね。

2017年3月17日金曜日

「解説」ワンダーランド


 最近の岩波新書、おもしろい本が続きますが、とくに冴えてるのは
  斎藤美奈子『文庫解説ワンダーランド』です。

 これは月刊の『図書』に連載中から、楽しみにしていました。他に読む記事がなくても、これだけは間違いなくおもしろかった。川端康成の「処女の主題」なるものをむやみに難解に述べる三島由紀夫への批判・皮肉からはじまって、「エッセイ風味で逃げ切っている」池内紀とか、如才なくかわす村上春樹とか、さらにもっとボケボケで「タルい評論」、「解説者は作品を(真剣に)読んだのか」といった疑問を誘発するような解説文までとりあげ、たたき、痛快。
 今回あらためて新書で読みなおして、軽快な口調をつらぬく invention of tradition 的な方法も見えてきます。斎藤さんは、国語的・教訓垂範的な感想文よりも、「社会科系の解説」「地理歴史的背景」を述べて「読み方のヒントを与える」のを優れた解説としています。ちょっと我々に近いのかな?
 ダメなのをやっつけるだけでなく、「読者の視野を広げる」すぐれた解説(者)にも言及して、なぜかを考えています。池澤夏樹、島田雅彦、高橋源一郎、原田範行、リービ英雄‥‥。そしてしっかり書誌を追い、テクスト・クリティークをやっている研究者も(今川英子、駒尺喜美、川上春雄)。
「優秀なレファレンスは、独善的な解説をときに凌駕する」(p.163)とまで述べて、まるで 西川正雄 が甦ったかと、思いましたよ。

2017年3月14日火曜日

『礫岩のようなヨーロッパ』と世界史

公 開 シ ン ポ ジ ウ ム(事前登録が要望されています!)

今、歴史的ヨーロッパを問うこと:『礫岩のようなヨーロッパ』と世界史

主催:科研基盤研究(B)
「歴史的ヨーロッパにおける複合政体のダイナミズムに関する国際比較研究」

日時:2017年3月29日(水)13時00分~17時40分
場所:東洋大学白山キャンパス6号館3階6317教室
  https://www.toyo.ac.jp/site/access/access-hakusan.html


  13:00~13:15 趣旨説明:古谷大輔(大阪大学准教授)
  13:15~13:35 第1報告:森田安一(日本女子大名誉教授)
  13:35~13:55 第2報告:岸本美緒(お茶の水女子大教授)
  13:55~14:15 第3報告:神田千里(東洋大教授)
  14:15~14:30 休憩
  14:30~15:00 コメント:木村直樹(長崎大)、杉山清彦(東京大)、前田弘毅(首都大東京)
  15:00~15:40 『礫岩のようなヨーロッパ』執筆者からの応答:近藤和彦(立正大)、小山哲(京都大)、
      中澤達哉(東海大)、中本香(大阪大)、後藤はる美(東洋大)、内村俊太(上智大)、古谷大輔(大阪大)
  15:40~16:00 休憩
  16:00~17:40 全体討論

プログラム & 参加登録 http://conglomerate.labos.ac/ja/blog/entry-2687.html

  18:00 懇親会 東洋大学内にて