2024年5月1日水曜日

衆院補選 東京15区

4月28日(日)の衆院補選について、話題の「東京15区」です。
マスコミは「立民3勝、自民3敗」とか言っていますが、「敵失」で勝っただけですので、驕らないでほしい。個人的には、むしろ選挙運動中に目撃した現象につき、たいへん憂慮していました。最終的な投票結果をみて、ほんのすこし安堵というか、まだ最悪の情況ではないかな、という暫定的な気持です。
ぼくが目撃したのは商業施設前での立ち会い演説における「根本りょうすけ」の妨害行為です。何百メートルも先から聞こえる大音響で、特定候補にからみ、執拗に妨害するのです。
たまたま地下鉄駅前で支持者を前に演説していた日本保守党(百田尚樹が代表、全員が富岡八幡宮のたすきを掛ける)の選挙カーにほとんどぶつかる勢いで、「保守党は戦争国家アメリカとイスラエルを支持している」と、この点に限れば的確に衝いて(!)、「論破した、どうだ、なにか言えるか」といった調子で、支持者たちには「そのじじい、ばばあ、言ってみろ」と罵倒する。
立憲民主党の宣伝カーは、近づく前に回避して他の方向へ向かったので、「おい立民、逃げるのか」と追って挑発する。ちょっとラップのリズムをまねたような調子で悪罵と威嚇(の大音響)を連ねて、聴衆・観衆を挑発する。ぼくは目撃していませんが、「都民ファースト」の乙武洋匡や「維新」への個人攻撃もすごいものがあったようです。
→ NHK  → 読売新聞  → 毎日新聞 
ようするに、ひとが選挙宣伝活動を続けられないように妨害し、かつ聴衆を威嚇しているだけなのですが、しかし、右を攻撃し、左にまとわりつき、小池都政を罵倒し、どういう政治的メッセージなのか、よくわかりません。無為無力の老人党をたたき、共民の連立を攻撃するというのは、よくある年金世代に反発する若者へのアピールなのでしょうか? 反米反中の国粋主義というトーンは他の候補にもうかがえるのですが、「論破」して対話の余地をあたえない、その攻撃性、威嚇性という点では他に類のないほどきわだちます。
公職選挙法における妨害行為 ⇔ 言論の自由、という争点で、裁判所の判決が言論の自由を優先してきたことが、警察の取締を抑制させている、との報道もありました。この点は、もっと分析的に正確に伝えてほしい。
トランプの政治姿勢にも似た、一種の民衆的・反知性的ファッショの要素がどれだけ許され、大衆的に受け入れられるのか? 開票結果がどうなるか、注目してフォローしました。東京15区では  → NHK
 酒井なつみ(立民)=49,476票が一位当選。
 その下に2万票前後で4人が団子にならび、最下位に
 根本りょうすけ(つばさ)=1,110票。
総計141,076票のうち、「つばさ」を名乗る泡沫威嚇グループは1%に満たなかった。とはいえ、千票以上も支持する者がいた。これは不健全な、見逃せない現象です。ナチスも合法的に、マッチョで威嚇的な運動によって勢力を伸ばしたのでした。

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