2010年6月2日水曜日

兎、うさぎ、何みてはねる

 5月末~6月初めというのに、寒い日がつづきます。5月22~24日あたりに初夏らしい日射しで、こちらが長袖でいるのが恥ずかしくなるような気分でいましたから、その後、ふたたび cloudy with showers, and breezy で16度~18度、といった日がつづくとこたえます。
 そもそもこちらの見通しが甘く、毛のセーターを持ってこなかった。コートも薄いパーカーで、とにかく夏向きの衣装を重ね着することによって凌ぐ、という方針。それがあまりつづくと、頭が痛くなったり、お腹にこたえたり。これではあんまりなので、ついに5月31日に M&S にて春物?のセーターを買いました。品揃いが悪くて、とくに気に入るほどではなかったけれど、濃紺で19.50ポンド。【これだって、ヨーカ堂だったらもうすこし別のデザインがあって、季節はずれだから20~30%引き、もしや半値でさらにキャッシュバックが加わるかもしれない‥‥】
 とはいえ、さすが雨の日も、たいてい夕刻は雨が上がって(dry!)、明るい西空に向かって行くと‥‥

Clare Hall から西は、30年前は畑しかなかったような気がしますが、今では住宅と畑をぬって数理科学部(駒場の数理科学研究科をもっと格好よくして Newton Institute とか名づけてる)。さらに西に行くと Cavendish Laboratory のナノ研究所とか「物作り学部」! とか、まるで発展途上の大学のよう。
 左右の畑や野原で、また研究所の敷地内で、なにやらアチコチに動くもの。リスではなし、ネズミでもなし。どうみても兎です。囲いのなかで養殖? でも、飛び越えたり、あるいはネットの下にトンネルを掘って逃げることは十分できる。

 この疑問は先日のモリル先生に尋ねて、しっかり答えをいただきました。
「彼らは wild rabbits で夕刻になると一杯出てくる。私たちが子どものころ兎媒介の病気が流行り、薬殺したことがある。農村地帯のどこでも兎の屍が重なって、見るに堪えなかった。その後、ふたたび野生の兎が増えて、ケインブリッジの西でも東でもいたるところにいる。今でも私たちの世代は、昔の屍のことが忘れられなくて、兎は食べたくない。」
 というわけで、繁殖力の象徴のような wild rabbits ですが、取る人もあまりなく、囲い地でも解放地でも一杯いるわけでした(30年前には気づかなかった)。

 で、写真を撮ろうにも、どこかでしっかり三脚を構えて30分も待機すればよいものが撮れるのでしょうが、そこまで暇ではない。目の前に何十羽もいても、動きが敏速でそれぞれ別方向に動くし、「二兎を追うもの、一兎をもえず」。
 結局、高画質である程度の広がりの絵を撮って、あとでトリミングをしつつ、結果的に望遠でズームしたような効果をねらうことになります。この絵のなかに草に紛れるように10羽の兎が見えるはずです。光も焦点も不足して、ぼんやりしますが、そこはご容赦。【写真をクリックすると拡大します】

 正しい日本語では兎は「匹」ではなく「羽」で数えるんですよね。こういう約束事が多すぎる言語ではないか。外国人だったら、そう思うでしょう。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

さすが、ピーターラビットの生まれた国ですね。妻も写真を見て喜んでおりました。