2020年2月3日月曜日

『みすず』 読書アンケート


 例年どおり、2月の始めに『みすず』の1・2月合併号(no.689)が到来。みすず書房から計134名の方々にたいして依頼した「2019年読書アンケート」の特集、読み始めると止まらなくなるのが欠点です!
 新刊本に限らず、また日本語の本に限らず、しかも長さは約*字とかいったゆるい制限で、読書によせて考えたことを自由に書いてよいことになっています。書き手として年末年始のちょうどよい節目でもあり、読み手としても、あぁ、あの人はまだ元気だとか、そうかこんな本があったのかとか。とても有意義なフォーラムだと思います。あきらかに1年前の『みすず』当該号を意識した発言もあったりして。
 原稿の到着した順に(あいうえおも、世代も専門もなく)そのまま組んでいる - でなければ暮から正月三が日の編集者が過労死してしまう!- のですが、加藤尚武さんに始まり、杉山光信さんが最後を締める構成のうち、ぼくはビリから11番目。
 ぼくの場合、論及したのは、
・歴史学研究会編『天皇はいかに受け継がれたか - 天皇の身体と皇位継承』績文堂、2019 
・尾高朝雄『国民主権と天皇制』講談社学術文庫、2019(初版は1947年)
・清水靖久『丸山真男と戦後民主主義』北海道大学出版会、2019
  → この本についてはすでに https://kondohistorian.blogspot.com/2020/01/blog-post_8.html でも述べました。
・山﨑耕一『フランス革命 - 共和国の誕生』刀水書房、2018
・Takashi Okamoto (ed.), A World History of Suzerainty: A Modern History of East and West Asia and Translated Concepts. Toyo Bunko, 2019

 それぞれ各々読まれるべき良書だと思いますが、一応、ぼくの側のストーリとしては、君主制ないし主権ないし国のかたちという問題; 
人としては丸山真男(を相対化する尾高朝雄、清水靖久、柴田三千雄、岡本隆司‥‥)で筋を通してみたつもりです。
 わずかながら、上村忠男、山口二郎、草光俊雄、苅部直、川本隆史、増田聡、喜安朗、市村弘正、キャロル・グラック、そして杉山光信といった方々の文章に(全面的にではないが一部分、強く)響くものを感じ、教えられる所がありました。
 なぜか説明なしのカタカナで暗号のように刻まれた言葉もありました。グラックさんの場合、記憶の palimpsest(前の字句を書き直した羊皮紙≒目の当たりにされた多重構造)のことですし(p.105);杉山さんの場合は jusqu'au-boutiste すなわち68年末・69年初の徹底抗戦派のことですね(p.110)。ぼくは、こんなことをしたためたことがあります。 → https://kondohistorian.blogspot.com/2019/09/blog-post_22.html
 なおまた patria/patriotism の問題が少なからぬ方々の心をとらえていることも知れました。将基面貴巳『愛国の構造』(岩波書店)に触れる方々が少なくありません。ジャコバン主義、共和政治、共同体運動を考えるときに、避けて通れない問題ですね。

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