2010年3月7日日曜日

Carmen Blacker



 横山俊夫さんから伺うまで知りませんでした。昨年夏に亡くなったのですね。

 因縁は、すこし長くなりますが、1980-1年にニュージーランドの Duneden からケインブリッジのエルトン先生(Clare College)の所にサバティカルで来ていた Alistar Fox というトマス=モア学者がいて、7歳のお嬢さんが小学校でぼくの娘と同級という縁で、行き来が始まりました。澤田昭夫先生を当然のようにご存じでした。
 その Alistarに招待されて、Clare Hall のディナーに行き、そこでカルメンのように座の中心にいたのが、美しく赤いドレスを召した Carmen でした。福沢諭吉も、恐山の巫女も、南方熊楠も論じることのできる日本学者。

 それから23年もたって、オクスフォードは Somerville のランチに呼ばれていったとき、Colin Lucas 総長とともに、小柄なお婆ちゃんがいるな、と思ったら、なんとジョアナのお友だちでした、Carmen Blacker!

 この週はオクスフォードに滞在なさっていたのです。名のっていただかなかったら、あのカルメンとは分からなかった! 好々爺という語はあるが、「好々婆」という表現はあるのでしょうか。
 SCR で「あしたはサマヴィルのセミナーで話をする」とおっしゃるので、それではと妻も誘ってサマヴィルに行ったのですが、‥‥転倒して歩けなくなった、とのことでセミナーは cancelled.

 これが最後になりました。ときに想い出して、どうなさっているかと心配していましたが、2009年に亡くなって、秋にお別れの会をしたのでした。
 人生で、ときをへだてて、ただ2日 お話をしただけの方ですが‥‥ご冥福をお祈りします。
写真は(c)南方熊楠顕彰館

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

来る7月22日木曜日5時45分より、大英博物館スティーブンソン・レクチャー・シアターにてProf.Donal Keeneによる<Carmen Blacker and Japan>という講演があります。ケンブリッジにお住まいのようなので、ロンドンでの講演のお知らせをしますが、同講演が今週ノーリッジでもあります。
ご参考のため。

Kaz

近藤 さんのコメント...

 リマインダーありがとうございます。
 クレアホールに居りますので、かなり早くから周知されていました。もう明日ですが、ぼくはノリッジに参ります。
 Carmen の夫の Michael Loewe さんはemeritus fellow ですが、毎日昼食にきてビールを楽しんでおられます。1950年代の終わり、京大の人文研、東京の東洋文庫の想い出を楽しそうに語られます。