2010年6月3日木曜日

MoMW (The Making of the Modern World)



 東大の図書館から ↓ のような朗報あり。
【小言コーベイみたいなことを言うと、定冠詞 the を2箇所に付けるのが正しい表記です】
 写真の copyright は Gale-Cengage.
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平成22年度大型コレクションとして選定された
「The Making of Modern World (MOMW) データベース」
(ゴールドスミス・クレス文庫所蔵社会科学系学術図書データベース)
について、正式サービスを開始しましたので、お知らせします。
学習・研究にご活用いただきますよう、よろしくお願いいたします。

◆The Making of Modern World (MOMW) とは
・15世紀半ばから1850年までの経済史・経営史・社会思想史を
 中心とする社会科学関係の書籍61,000点、および同年代に創刊された
 定期刊行物466点を収録し、フルテキスト検索が可能なデータベースです。
・収録資料はロンドン大学ゴールドスミス文庫(Goldsmiths' Library of  
 Economic Literature, University of London)とハーバード大学
 経営大学院クレス文庫(Kress Library of Business and Economics,
 Harvard Business School)の蔵書を原本としており、総ページ数は
 1200万ページにおよびます。

◆アクセスの手順
・http://infotrac.galegroup.com/itweb/unitokyo?db=MOME
 からアクセスしてください。
・学外利用のための「SSL-VPNサービス」については、
 動作確認中で、現在対応できていません。
・同時アクセス制限はありません。

◆お問い合せ先
 総合図書館資料契約係
 zasshi@lib.u-tokyo.ac.jp (@は半角に置き換えてください)
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 いささか遅まきですが、それにしても、とにかく all's well that ends well.

 MoMW は(最広義の古典経済学 & moral philosophy の成立にかかわる刊行物なら)英語文献に限らないので、キーワード検索するとラテン語はもちろん、フランス語、イタリア語、スペイン語、とヨーロッパ言語世界の同時代的交渉の証をみるようで、そうした点からもすばらしい電子アーカイヴだと思います。内田義彦さんがこれをみたら、感激して落涙したにちがいない。
 NII の共同購入コンソーシアムに東大も加わるという方式のようですが、(他大学からも参加しやすい)一番よい方法でしょう。この件につき、じつは5月に一時、ダメになった、というメールをもらって、驚いたりしました。

 前にも書きましたとおり、ケインブリッジの大学図書館(CUL)は普通は全開架で、また稀覯本・手稿も、電子アーカイヴも含めてすばらしい研究図書館ですが、なんと MoMW のみ持っていません! 社会経済文化史の若手 Craig が嘆いていました。
 EEBO と ECCO があれば足りる、ということではないんです。それぞれ時代の全刊行物の15%程度をカバーしているに過ぎないんですから。結局、「このコレクションを点検すればそれで十分」といったものはまだ存在しません。ケインブリッジ、オクスフォード、BL、マンチェスタと稀覯本を探して歩く旅は終わりません。

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