2010年7月4日日曜日

『人文学への接近法  西洋史を学ぶ』



こんな本を手にしました。すばらしい!
『人文学への接近法:西洋史を学ぶ』(京都大学学術出版会、2010)
基本的には大学1・2年生向けに、副次的には彼らを相手にしている大学教師向けに作られたのでしょうが、正攻法でしっかり学問の入口の案内をしたうえに、さらにコラムでは
「Q 西洋史学といっても、フランスやドイツの本場の研究者の真似なんでしょう?
A はい、真似です‥‥」
とか
「Q 大学院に進んで研究者を目指して、しかも何年も海外留学をして、それで、ちゃんと大学に就職できるのでしょうか」
とか
「Q 西洋史学の専門研究をして論文を書いても、読む人なんていないのではないですか」
といったフランクな対話の糸口も設けられていて(関西だからこそ?)、これはすごい。

服部・南川・小山・金澤といった京大西洋史の4先生の編集になる「熱意」あふれる、協力の産物。留学体験記や各方面に就職している京大出身者の声もあって、大学3・4年の、とりわけ大学院を志望する学生の must かもしれない。2000円なり。

後半に挙がっている「文献案内」は基本的に日本語の本に限られるが、しかし
「どの本も、各節の執筆者が膨大な読書経験の中から選りすぐった良書揃いで、ハズレは一冊もないと自負している」とのこと。 たしかにこれまでの類書とは「腰の入れかた」が違う本のような気がします。
‥‥というわけで、皆さん、まだなら是非。

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